- 投稿日
- 2018年12月14日
- 更新日
こころの癒しのイタリアンカフェ
我が家の近所にあるイタリアンカフェ「Espresso Bar Poli」はいつも朝からたくさんのお客さんで賑わっています。とても小さい店内ですが、ときには20人くらい人が入っていることも。
7月から8月まで、6週間もお休みしていたことにはびっくりしましたが、その後初めて訪れて以来、すっかりファンになってしまいました。カフェに立ち寄らないときでも、お店の前を通りかかったときや、カフェの隣のスーパーで買い物をしているマスターと出会うとおしゃべりしています。
このイタリアのカンタッチーニというお菓子は、マスターが買い物かごに入れていたのを見て、
「美味しいの?」
と聞いたところ、
「そう、コーヒーをテイクアウトする人の紙袋に1つ入れてあげるんだよ。イタリアのお菓子で、美味しいよ!」
と教えてくれました。
すかさず、私も買ってみました。固いパンの中にチョコレートが入っているような、チョコクッキーにしてはほろ苦く、なんともいえない不思議な美味しさでしたが、息子にあっという間に食べられてしまいました。確かにカフェオレやカプチーノとぴったりです。
ちなみにお値段は20個くらい入っていて400円くらいです。
職場に持っていくと大人気に。
カフェの話を私がよくしているので、みんなが
「へー、コーヒーにこれをつけてくれるんだ」
と話してまた盛り上がりました。
Espresso Bar Poliは、まず、とてもコーヒーが美味しいのです。
そしてお値段も安い。エスプレッソは1杯10クローナ(1クローナは約12円ですから120円です)。信じられないお安さです。カプチーノ、カフェオレは25クローナ(300円)です。
メニューをみると、クロワッサンサンド、ピザなどもお手頃なお値段です。
ちょっとしたパンも美味しそう!(写真がボケてしまいました。。。)
絞り立てオレンジジュースはオレンジを丸々2個絞って出してくれますが、これも25クローナ。
朝、子供にクロワッサンを食べさせてお向かいの小学校に送る親もみかけます。
ひっきりなしにお客さんが入って来て楽しそうにマスターと話をしていきます。
私が2回目に行ったときにはマスターが
「この間も来たよね?」
と言ってチョコレートをプレゼントしてくれました。
「中にfortune(おみくじ)が入っているよー!」と。
開けてみたら、Geroge Sandの素敵な言葉が入っていました!
There is only one happiness in life. To love and to be loved.
こんなに安くしていてて大丈夫なのかしら?と心配してマスターに聞いてみたところ、
「クオリティーの高いコーヒーをこの値段で出すのは大変。だけど、頑張って値段を抑えているんだ。皆が気軽に来てくれるように。ここはコーヒーを飲むだけじゃなく、色んな話をする場所だからね。嬉しいこと、悲しいこと、辛いことがあったとき、みんなここに来て話をする。そして気持ちが落ち着くんだ。だからカフェというより、phychologist(心理学者。マスターはカウンセラーのようなことを意味していると思います)みたいなんだ。」
という答えが返ってきました。
なんだかほんわかして涙が出そうになるようなお話でした。
私もいつもマスターの素敵な笑顔に元気を頂いています。
私が家族について話したのは一度だけなのに、家族構成をすべて覚えていてくれて、
「娘さんはクリスマスにこっちに遊びに来ないの?」
などと聞いてくれます。
まるで古き良き時代の日本の長屋のおじさんのようです!
「ネットにも出していないしまったく宣伝もしないけれど、そういえば先週日本の女性が一人来たよ。」なんて話も。
見ていると忙しい合間をぬってはカウンターの外に出て、お客さん皆に声をかけています。
狭くて混んでいてもとっても居心地がよく、いつまでもいられる雰囲気。知り合いでない人たちが一緒におしゃべりを始めたり、あちこちで話が弾んでいます。マスターが素敵なので自然と集まる人の間にも温かい空気が生まれるのでしょう。マスターはイタリア人なので、別れ際には「チャオ!」と声をかけてくれます。
東京でもこういうカフェが街角にあれば心を病まずに助かる人がたくさんいるのではないでしょうか。居酒屋さんではそういう場があると思いますが、朝早くから開いていて日中健全な時間に立ち寄れる場所が欲しいですね。まさに「こころの癒し」のカフェだと感じました。
ネットで検索してみたら、tripadviserで評価満点!そして、
「Best coffee in Stockholm」
というコメント多数。
こういう風に集う場所は本当に貴重です。
以前に視たTEDで、ニューヨーク大学メディカルセンター内科医、NYU Langoneの准教授であるの Joseph E. Ravenell, 博士が、
「床屋は黒人男性にとって健康を守るための場所である」
という話をしていました。床屋は散髪をするためだけではなく、定期的に訪れて、仲間と話をするための大切な場所である(こころの健康のため)、さらにそこで血圧が測れるようにすると健康管理もできる、というとても印象的な話でした。
「Espresso Bar Poli」はまさにそれと同じような役割を果たしていると思います。
マスターと話をするとみんなニコニコ元気になります。まさに”こころの癒しのカフェ”です。
マスターは長い夏休みのうち、10日間は東京に遊びに行っていたそうです。
「東京大好き!日本大好き!」
なんだそうです。ストックホルムにおいでの際には是非訪れてみてください。
この記事を書いてからしばらく経ちました。カフェはいつも人でいっぱいです。
とても気温が低いある日も、外でおしゃべりをしている人が。。。
そして、もう一つご報告があります。
TEDで出てきたような”黒人の床屋さん”を見つけました!
ストックホルム市内のとある場所にある床屋さんです。
いつも中に人がいっぱいいて、順番待ちをしています。
子どもも一緒に連れてきておしゃべりをしたりしている人もいます。まさに、憩いの床屋ではないかと前を通るたびに密かに観察しています。
気兼ねなく人が集まれる”場”の重要性を感じています。
参照
(1)https://www.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g189852-d7827886-Reviews-Caffe_Poli-Stockholm.html
(2) How barbarshops can keep men healthy Joseph Ravenell (TED) https://www.ted.com/talks/joseph_ravenell_how_barbershops_can_keep_men_healthy