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子宮頸がんワクチン接種について 予防接種の副作用を予防する方法 ビタミンCとビタミンB6


子宮頸がんワクチンは絶対に受けるべきです

子宮頸がんのワクチン接種について、どうしたらよいかというご相談を受けることがよくあります。
子宮頸癌ワクチン(HPVワクチン)は必須です。

私自身、娘には高校生になったときにすぐに受けさせました。受けないという選択肢はあり得ないと信じています。けれども、一般の方は子宮頸がんワクチンは怖いから受けてはいけない、というイメージを受け付けられてしまっているのです。

子宮頸がんのワクチンは非常に効果が高いワクチンであるにも関わらず、現在の日本では接種率が1%に満たないという非常事態となっています。

日本におけるこの状態は、世界から問題視され、世界保健機関(WHO)のワクチン安全性諮問委員会(GACVS)は
「今なお続いている根拠のない主張の影響によってワクチン接種率が低迷するなど、真の害悪をもたらすことを懸念している。」」
との声明を発表しています(1)。

HPVワクチンによる障がいの発生については、現時点でワクチン摂取と関係があるとは言えない状況です。
ワクチンの効果を考えると接種しないという選択肢はないと思いますが、それでも一度浸透してしまった「子宮がんワクチンは危険だ」というイメージを払拭することは非常に難しく、HPVワクチンの積極的推奨が2013年6月に差し控えられて以来接種率が低いままとなっています。
2013年以前は対象年齢の摂取率は8割を超えていましたが、現在では1%未満なのです。これだけ予防効果の高いワクチンを受けないとは考えられないことです。もちろん、ワクチン接種だけではなく、検診を定期的に受けることも必要です。


子宮頸がんワクチンの副作用

ワクチンの販売開始から平成29年9月末までに国内で接種を受けた人を対象とした有害事象が検討され、認定を受けたのは295件であり、10万接種あたり8.7件の頻度であると報告されています(2)。つまり、確率としては0.009%なのです。

(もちろん、当事者の方にとっては100%であったと言えるとは思いますし、とても大変なことですので、きちんとした対応、救済措置がなされるべきであることは間違いありません。障害については、栄養療法でかなり改善されることがわかってきています。)

さらに、名古屋市が3万人に対して行った子宮頸がん予防接種調査において、月経不順、視野・視力の異常、疼痛、疲労感など24種類の症状の頻度について、予防接種者と非接種者との間で統計学的に有意差がなかったと報告されています。つまりこれらの症状は、ワクチン接種と関係なくこの年代の女子に一定の確率で起るものと解釈できるでしょう。

子宮頸がんワクチンの有効性

一方日本では毎年約1万人が子宮頸がんに 罹患します。子宮頸がんは若年者に発生する固形がん(血液のがんを除いたがん)の中では最も多い数となっていますが、検診を受ける人が少ないため、妊娠中に見つかるケースも多く、その場合には妊娠継続を諦めざるを得ません。子宮けいがんによる死亡者は、年間3000人です。

厚生労働省副反応検討部会が2018年1月に発表した推計(3)によると、HPVワクチンの有効性として、子宮頸がん予防ワクチン接種により、10万人あたり859~595人 が子宮頸がん罹患を回避でき、209~144人 が子宮頸がん死亡を回避できる、と期待されています。HPVワクチンの開始以降、有害事象は176人ですが、接種により予防できた子宮けいがんは1万3000~2万件、回避できた死亡者は3600~5600人と推計されています。HPVワクチンがどれだけ有効かということがおわかり頂けると思います。

さらに、現在子宮けいがんワクチンの有効性と安全性を評価するため、厚生労働省が2015年から3年間の予定で、疫学調査の専門家である大阪大学教授の祖父江友孝氏を主任研究者とする研究斑を立ち上げています。この結果が来年以降発表されれば、更に子宮けいがんワクチンの有効性が明らかとなるのは間違いありません。

ワクチン後進国となった理由

現在の日本はまさにワクチン後進国なのです。何故こんなことになってしまったのでしょうか?
マスコミが、症状が出たごくわずかな人の訴えを大きく取り上げて報道し、子宮けいがんワクチンが危険であるという印象を作り上げてしまいました。さらに、元信州大学医学部長の池田修一氏が1匹のマウスを使った実験で、ワクチンが脳障害を引き起こすという報告を行ったことも拍車をかけました。マスコミはこぞって、この低レベルの研究をあたかも「科学的根拠」であるかのように取り上げたのです。

一連の報道を見ていると、子宮けいがんワクチンを受けると皆ひどい副作用が出る、という印象を持津溶になります。実際には0.009%の確率であるにも関わらずです。

さらに、子宮頸がんワクチンの害を主張した論文(4)は発表直後から複数の研究者からの撤回要求を受けて、最終的に撤回されています。池田氏が行った実験もたった1匹のマウスの実験でしたが、子宮けいがんワクチンの有害性をうたった研究はすべて科学的根拠にはなりえないレベルの低いものだったのです。けれども、このような研究を根拠にして、ワクチン被害を訴えている人が多くいるのが現実です。

上述のように、ワクチン接種を受ける年代の女子においては、突然発症する神経障害などが一定の確率で起ることがわかっています。
このことについては、他にも同じような例がありますので、ここでご紹介しておきましょう。

インフルエンザの抗ウイルス薬の副作用について

インフルエンザのタミフルによる異常行動の副作用(高熱時にタミフルを服用した子供がマンションから飛び降りて亡くなってしまうなど)についても、問題となっていますが、これについても同様です。

お年寄りの小児科医の先生方に伺うと、
「昔は熱の高い子供がよく縁側から庭に落ちていたんだよね。。。縁側からだから大したことにならなかったけれど、今は高いマンションだからね。落ちたら大変だ。」

つまり、異常行動は熱によって引き起こされるものなのであり、タミフルのせいではないと考えられるのです。

疫学的に因果関係を証明することはとても難しいのですが、マスコミはいとも簡単に「関係を作り上げて」しまいます。人の命に関わることなのですから、殺人と同じくらい責任が重いと思われます。

日本はワクチン後進国

残念ながら先進国であるはずの日本は、現在“ワクチン後進国”となってしまいました。
副作用が起きればすぐに訴訟を起こすアメリカのような社会となり、ワクチンの接種の推奨、義務化をやめたためです。何か事件があるとマスコミが取り上げて恐怖心をかきたてます。
けれども、マスコミの情報は間違っていることが多いのです。
マスコミだけではありません。研究者ですら、誤ることもあります。事実、HPVワクチンについては現在、それが大問題となっています。

マスコミ、ネットの情報に踊らされることなく、健康はあなた自身で守るため、必要なワクチンはしっかり受けてください。

ワクチン接種の副作用と受けるべきワクチン接種

予防接種の是非について日本ではかなり議論がなされています。ワクチンによる副反応で様々な障がいをおった方がいるのは事実です。とても低いのですが、ある一定の確率でそのようなことが起ります。けれども、それは本当にワクチンが原因だったのかどうか、因果関係をはっきりさせることはとても難しいのです。ワクチンだけの問題ではなく、ワクチンを受ける個人の状態も関係してくるからです。

私は専門家の立場から、多くの論文を読み、情報収集をして検討した結果、予防接種については肯定的な意見を持っています。ただし、インフルエンザワクチンについては、子供、基礎疾患をお持ちの方、高齢者などを除いて積極的にお勧めは致しません。これについてはまた改めてお話しする機会を持ちたいと思います。

結核、麻疹、風疹、水痘、おたふく、百日咳、破傷風、ポリオ、日本脳炎、ロタ、ヒブ、高齢者の肺炎球菌、などについては受けて頂くべきだと考えます。

また、かなり視点が変わりますが、今後国際社会で活躍するようになれば海外渡航の際、必ず予防接種歴が求められることにもなっています。ワクチンはきちんと受けてください。

予防接種の副作用から身を守るために大切なこと

予防接種を受けると一定の確率で副反応(副作用)が生じます。この副作用を予防する、あるいはできるだけ軽く抑えるためのポイントが3つあります

1) 体調を整えて下さい。
ワクチン摂取に際しては、副反応を出来るだけ抑えるために、体調の良いときに摂取することが大切です。
熱があるときにはワクチンを接種できないことになっていますが、忙しい中で予防接種の予約をして、仕事を調整し、お子さんを連れて行っていざ「今日はやめておきましょう」となると、困ってしまうお母様が多いようです。私はある内科で、お子さんの熱があるのに、

「なんとか今日やってもらえませんか?」

と食い下がっている場面を目撃したこともあります。これは絶対にやめてください。
熱だけでなく、体調が思わしくないようなときには接種を見送ってください。その判断がお子さんを一生苦しめることになりかねないのです。

2) ビタミンCを摂りましょう
健康のためにビタミンCは毎日摂って頂きたいのですが、それをしていない人でも予防接種の前後に大量のビタミンCを摂取することで、副反応をある程度予防することができます。

接種の3日くらい前からビタミンCをのんでください。できるだけ分散させて、赤ちゃんでも1日1g〜3gくらい、3歳以上であれば年齢のグラム数をのませてください。
接種後も1週間くらいは継続してください。

これだけのことで、副反応(局所の腫れ、発熱など)はかなりおさえられるはずです。

3)ビタミンB6を摂りましょう
ビタミンB6は脳神経を保護する働きを持っています。このため、もしワクチン接種によって脳の炎症が起きた場合、ビタミンB6によってその症状を緩和することが期待できます。詳しくはビタミンB6の記事でご紹介します。

ビタミンB6は水溶性ビタミンですので、大量に摂っても必要がない場合にはすぐに体外に排泄されます。副作用は一切ありません。ですから、予防接種の前後にこれを摂ることによって、万が一副反応が起きた場合に備えることができるのです。

さらにもし副反応の症状が出てしまったときには栄養療法も効果がありますので、ご相談頂きたいと思います。

ワクチンを怖がらず、病気を防ぐためにしっかりと受けるようにしてください。

子宮頸がんワクチンに対する本庶先生のご意見


                  (撮影:宮川絢子)

ノーベル賞受賞者の本庶佑先生が、日本の子宮けいがんワクチン問題につて、マスコミの責任が大きく改善が必要であると、コメントなさっています。12月8日に行われたストックホルムでの記者会見でもその点について強く主張なさっていました。 

本庶先生の記者会見について、m3.comニュースのオピニオンに子宮頸がんワクチン問題に取り組んでいる医師でジャーナリストの中村璃子氏の記事が掲載されていました。記事を読むためには会員登録が必要ですので、下に引用の形で内容をご紹介します。

村中氏はこの子宮頸がんワクチン問題に取り組み、積極的に発言を行ってきました。その功績が認められ、2017年にはネイチャー誌から、ジョン・マドックス賞を授与されています。サイエンス誌も村中氏の発言に注目して記事を載せています。

この記事をお読み頂ければ、いかにマスコミに踊らされて日本のワクチンが停滞してしまっているかがよくわかります。非常に嘆かわしいことです。

自分の身を守るためには、マスコミを信じてはいけません。誰が、どのような意図で、何と発言しているのか、ということをしっかりと見極めて何をするべきかを決定してください。

村中璃子氏の記事

以下引用
M3.comニュースより
「本庶佑氏、ストックホルムでも子宮頸がんワクチン問題に警鐘」
「マスコミはきちんとした報道をしていただきたい」
オピニオン2018年12月11日 村中璃子(医師、ジャーナリスト)

会見の最後にNHKの記者が、子宮頸がんワクチン問題を含む日本の医療政策における課題に関するコメントを求めると本庶氏は、「NHKさんがこの問題を取り上げることは非常にいいことだと思う。マスコミはきちんとした報道をしていただきたい」と述べた。

また、「子宮頸がんワクチンの副作用というのは一切証明されていない。日本でもいろいろな調査をやっているが、因果関係があるという結果は全く得られていない。厚労省からの(積極的接種)勧奨から外されて以来、接種率は70%から1%以下になった。世界で日本だけ若い女性の子宮頸がんの罹患率が増えている。一人の女性の人生を考えた場合、これは大変大きな問題だ。マスコミはワクチンによる被害を強く信じる一部の人たちの科学的根拠のない主張ばかりを報じてきた」と続けた。

医学や科学の問題について論じる際にマスコミ関係者に注意してほしい点として、「科学では『ない』ということは証明できない。これは文系の人でも覚えておいてほしいが、科学では『ある』ものが証明できないことはない。『証明できない』ということは、科学的に見れば、子宮頸がんワクチンが危険だとは言えないという意味だ」と述べ、「なぜこれを報道しないのか。先日学会でも講演したが、ルワンダなど(リソースの少ない国)でもワクチンを導入して子宮頸がんが減っている」とコメント。

「このことに関し、はっきり言ってマスコミの責任は大きいと思う。大キャンペーンをやったのは、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞。メジャーなところが全部やった。そしてNHKも責任の一端があると思う。今からでも遅くないから、きちんと報道してほしい。実害が生じている」と述べ、主要報道機関が誤った情報を広げたことにより、日本人女性が必要なワクチンの接種を差し控えている現状について警鐘を鳴らした。

本庶氏は10月5日に藤田保健衛生大学(現藤田医科大学)で行われたノーベル賞受賞決定後の初講演でも子宮頸がんワクチン問題について取り上げ、「国際的にみても恥ずかしい状況」とコメント。10月11日には根本厚労大臣を訪問し、子宮頸がんワクチンの積極的接種の勧奨再開の要請を行った。また以前より、医療経済やQOLの観点からワクチンをはじめとする予防医療の重要性を繰り返し訴えているが、30分という短い会見のうち子宮頸がんワクチン問題に関するコメントは約7分に及び、本庶氏のこの問題への懸念と関心の高さを改めてうかがわせた。

関係者によれば、どのメディアの記者も子宮頸がんワクチン問題に関する本庶氏の発言を真剣な面持ちで聞いていたというが、12月11日現在、この問題に触れたメディアはない。

なお12月7日、ノーベルレクチャーの直後に行われたメディア非公開のレセプションで本庶氏は、子宮頸がんワクチン問題についての著作のある筆者に「(子宮頸がんワクチン問題に関する)報道は変わりましたね」と声をかけた。

それだけに、ノーベル医学生理学賞受賞者が時間を割いて強調した、わが国の重要な医療問題に対するこうしたメディアのありようは残念でならない。
 
引用終わり

参考文献

(1) http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/10/9f232994af13b9c474d83d29ee7cb343.pdf
(2) https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000186458.pdf
(3) https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000035618.pdf
(4) Aratani S, Fujita H, Kuroiwa Y, Usui C, Yokota S, Nakamura I,Nishioka K, Nakajima T. Murine hypothalamic destruction with vascular cell apoptosis subsequent to combined administration of human papilloma virus vaccine and pertussis toxin. Scientific Reports volume6, Article number: 36943 (2016)
https://www-ncbi-nlm-nih-gov.proxy.kib.ki.se/pubmed/27833142