宮川路子の水素栄養療法

主治医が教えてくれない水素・栄養療法の話   うつ、がん、アンチエイジング

栄養療法の学者は皆長生き 長生きのためのサプリメント 冠動脈疾患にも


写真は、スウェーデンス トックホルムのノーベル美術館。2回ノーベル賞を受賞したポーリング博士の展示

メガビタミン療法で長寿を目指す

栄養療法を推奨した学者は驚くほど長生きです。

Linus Poling博士は93歳
Abram Hoffer博士は91歳
Jacobus Rinse 博士は88歳以上(亡くなった年の確認が出来ません)
三石巌先生は95歳 
日野原重明先生は105歳(日野原先生は栄養療法ご専門ではありませんでしたが、先生の食生活を拝見すると、まさに栄養療法に取り組んでいらしたといえます)

しかもこの先生方は長生きだっただけではなく、晩年まで意欲的に研究活動を行っていました。三石先生は亡くなる2週間前にスキーにでかけ、それがきっかけで風邪をひいて亡くなりました。もしそれがなければもっと長生きなさっただろうと言われています。

これらの学者は、自ら大量のビタミン剤を服用していました。”メガビタミン療法”と呼ばれるものです。その量は驚くべきものです。
ポーリング、ホッファー、三石先生の3人がそれぞれ亡くなったのが 1994年、2009年、1997年ですから、当時の男性の寿命をはるかに超えて長生きだったことがわかります。まさに自らメガビタミン療法の効果を実証したわけです。ちなみに日野原先生は2017年に亡くなりましたが、現在男性の平均寿命が81歳ですので、こちらも相当平均を上回っていました。

けれども彼らが提唱したメガビタミン療法は医学界からは異端とされ、受け入れられませんでした。ビタミン療法に取り組む医師はいかがわしいというイメージを植え付けられ、それが現在にまで至っています。これはビタミンなどで病気がよくなってしまうと売り上げが落ちて困る製薬業界と、それを守ろうとする国の思惑によるものだとも言われています。そしてその思惑にそった研究者たちが反ビタミンの研究を発表し、栄養療法を批判し続けました。実はこうした医師たちの多くが、がんなどで命を落としているのです。

時代が移り変わり、現在では様々な研究者がビタミンの研究に取り組み、その成果が論文として権威ある医学雑誌に掲載されるようになってきました。もはや医師たるものは栄養についての知識なく患者さんの診察をしてはいけないのではないかと思われるほどです。

ほとんどの病気は身体の栄養素のバランスの崩れから発症するといわれるくらい栄養は大切です。身体は薬でできているのではありません。身体は栄養からできているのです。調子を整えるのためには薬ではなく栄養素こそが必要なのです。

栄養療法は無理のない健康法です。

Hoffer博士のメガビタミン療法

ホッファー博士は晩年、ドキュメンタリービデオで自分が毎日飲んでいるサプリメントを紹介しています。
サプリのケースには、おそらくセールと思われるオレンジ色のシールが貼られていたりしました。栄養療法の祖であるホッファー博士がスーパーで安売りのサプリを買っていたなんて、びっくりですが、実はそれくらいの、誰にでも簡単に手に入るレベルのサプリメントで健康になれるのです。

ホッファー博士が飲んでいたビタミン

ドキュメンタリービデオ「This is an outtake from “Feed your head” what causes mental illness?」からのご紹介です。
このビデオの中では、ホッファー先生が台所に立って、毎日飲んでいるサプリを手に取り、ひとつずつ紹介しながらコメントしています。
すべて1日あたりですが、ものすごい量ですね!

 ビタミンA   3000IU
 ビタミンB-100complex  1錠
 ビタミンC   2000㎎  (1000㎎×2回)  (ちょっとこちらは量が少ない気がします。)
 ナイアシン  4500㎎  (1500㎎×3回)  「これは私のお気に入り!」とのこと
 ビタミンD   6000IU
 ビタミンE  800mg  (400mg×2回)
 葉酸    5000mcg(=5mg)
 CoエンザイムQ10    300㎎   (100gm×3回) 
               「心血管疾患を防ぎ、パーキンソンにも効果があるよ!」と。
 サーモンオイル  2000㎎ (ω3、脂肪酸、EPA、DHA)    
 カルシウム   666㎎
 マグネシウム  333㎎    (カルシウムとマグネシウムの合剤を1日2錠でこの量)
 亜鉛    50㎎       「亜鉛は摂りすぎると銅欠乏となるよ」と。
 セレン    600mcg    (200mcg×3)
 N-アセチルシステイン 3000mg   (1000mg×3回)
 αリポ酸     600mg   (200mg×3回)

アンドリュー・ソウル博士のサプリメント

こちらは、Doctor yourselfからのご紹介です。

アンドリュー・ソウル博士の「朝のレシピ スーパースラリー」

 
ソウル博士は毎日、朝に人参ジュースを飲みます。夏はズッキーニ、秋はリンゴを加えます。彼はこれ『ソウルの日の出スーパー・スラリー』“Saul’s Sunrise Super Slurry” と名付けています。(スラリーとは“どろっとしたもの”という意味です。)

Saul’sのレシピ「日の出スーパースラリー」

以下の3つを大きい器でよくかき混ぜて飲みます。
1)1パイント(473ml)のフルーツジュース(オレンジを冷凍してあるもの、あるいはパイナップル。ただし、糖を加えていないもの。日本では冷凍の果物、ジュースはあまり一般的ではないので、生のオレンジなどを買ってしぼるのが一番です。注参照)
2)レシチン顆粒 大さじ3(かなり多いです)
3)ビタミンC顆粒 小さじ1(約4,500 mg)

注)ストックホルムで私の自宅の近所にあるイタリアンカフェではオレンジジュースを注文すると、その場でオレンジを2個絞って出してくれます。まさにしぼりたて生ジュースです。それを真似して私は家でしばしば生オレンジジュースを飲むようになりました。ジューサーなどは必要ありません。私が使っているのは、レモン絞り。日本から持ってきたものもありますが、こちらで購入したレモン絞りはとっても優れもの。


オレンジでもグレープフルーツでもキュッキュッと手早く絞ることができます。ただし、絞りかすは食物繊維を含んでいるため、捨てないでジュースに入れてしまいます。

スーパースラリーと一緒に摂るサプリメント

1)ビタミンE:600IU,(天然混合トコフェロールとして、80%d-αトコフェロールを含む)
2)ナイアシン:100 mg(フラッシュをするときは、もっと多く、しない場合は少なめに)フラッシュが必要かどうか判断する
3)カルシウム – マグネシウムの合剤サプリ: 3 錠(それぞれカルシウム約200ミリグラム、マグネシウム100mg、合計カルシウム600mg、マグネシウム300mg)
4)ビタミンA:(魚油として)10,000 IU
5)5〜10種類の複合消化酵素サプリ
   :パンクレアチン(日本では処方薬のエビス、ヨシダなどです)
ビール酵母(日本ではエビオス錠など)
エビオス錠
パパイヤなどの果物由来の消化酵素
6)高効能マルチビタミン錠
①ビタミンD:400 IU
②チアミン(ビタミンB-1):25ミリグラム
③リボフラビン(ビタミンB-2):25mg
④ナイアシンアミド(ビタミンB-3):100mg
⑤ピリドキシン(ビタミンB-6):25 mg
⑥葉酸:400μg
⑦ビタミンB-12:25 mcg
⑧ビオチン:200 mcg
⑨パントテン酸:25 mg
⑩亜鉛:15mg
⑪セレン:25μg
⑫マンガン:4mg
⑬クロム:25μg
⑭適度なビタミンA、C、およびEを含む

ミネラル量が足りないと感じるときは、朝昼夜合計3回、昼食時にさらに亜鉛60mgとクロム200mcgを追加。

以上ですが、かなり、多いですね。。。

ソウル博士はレシチンに一価不飽和脂肪酸、オメガ3、オメガ6が十分に含まれていると考えていますので、かなり大量に摂取しています。ですので、これを摂っていれば、頑張ってオリーブ油や亜麻仁油を混ぜて飲む必要はないとのことです。

消化酵素サプリはレシチンの吸収に役立つので、これを朝に摂取するのがポイントです。
ビタミンCは腸耐用量に達した場合(下痢になった場合)には量を下げます。

この、ソウル博士のレシピは、The RINSE FORMULA for Cardiovascular Disease
Jacobus Rinse 博士による「リンス博士式循環器疾患のためのサプリ」を参考にしています。こちらもDoctor yourselfに載っていますので、ご紹介します。

Jacobus Rinse博士について 
心血管疾患のためのリンス・フォーミュラ

Jacobus Rinse 博士はオランダ出身の化学の研究者でした。アメリカに1949年に移住した後の1951年に狭心症を発症し、主治医に予後数年と言われたのです。

化学者であったリンス博士は、様々な情報を収集し、心臓病のためにどのような治療があるか研究を始めました。彼は栄養療法の効果に着目し、検討した結果、その効果を確信したのです。こうして彼が考え出したのが、リンスフォーミュラとして知られるレシピです。彼はそれを毎日飲み、余命宣告から40年も健康的な生活を送ることができました(リンス博士についてはいろいろと調べましたが、1988年に88歳の時に御存命だったことは確認できました。おいくつで亡くなったかがはっきりしません)。

ライナス・ポーリング博士も化学者でした。分子整合栄養療法は生化学を基礎としています。身体の中で起きている反応を良く理解し、必要としている栄養素にいち早く気がつき、有効な治療法を見いだすということは、化学者だからこそ出来たことなのかもしれません。
さらに、Abram Hoffer博士も医師であるとともに、生化学の学位を取っています。彼も生化学によって、明確に治療の有効性を裏付けているのです。非常に説得力がある研究であると感じています。

リンス博士は自分で開発したレシピの心血管疾患に対する効果について、1975年に論文で発表しました(1,2)。そのレシピに目をつけたオランダの製薬会社がリンスフォーミュラのレシピを売り出し、その後米国でも販売が行われました。

アンドリュー・ソウル博士の「日の出スーパースラリー」が、完全にリンスフォーミュラをもとにして作られたレシピであることがよくわかります。

リンスフォーミュラレシピ

①大豆レシチン顆粒:大さじ2〜3
②ビール酵母:小さじ1以上(少量から始めて徐々に増やす)
③ベニバナ油(またはヒマワリまたは亜麻仁油):大さじ1
④骨粉:小さじ0.5、または他の粉末カルシウムサプリメント大さじ1
⑤小麦胚芽:大さじ2 :真空パック、冷蔵庫で保存

追加のサプリメントとして
ビタミンC:アスコルビン酸粉末1000mg、1日3回
ビタミンE: 400 IU(天然混合トコフェロールとして)
総合マルチビタミン剤  1錠
ビタミンB6 50mg
マグネシウム:500mg
亜鉛:30 mg
セレン: 50 mcg

リンスフォーミュラの説明と注意点

上記の①〜⑤を組み合わせて、パイナップルやオレンジジュースなどの8オンス(約240ml)のフレッシュジュースにブレンドします。朝追加として、ビタミンEと、ビタミンB複合サプリを同時に飲みます。

絶対に欠かせないものは、レシチン、ベニバナまたはヒマワリの油、そしてビタミンEです。レシチンは、フォスファチジルコリンです。日野原重明先生もご愛飲なさっていたことで有名です。

ビタミンEは油の酸化によるフリーラジカル形成を防ぐために不可欠です。また、レシチンとリノール酸が組み合わさって血管に付着しているコレステロールを溶かし、プラークの形成を防ぎます。

ひまわり油などのリノール酸(ω6)ではなく、リノレン酸(ω3)の多いオイルが良いと考える人もいます。オリーブオイルなどの単価不飽和脂肪酸に心臓保護効果があることもわかっています。

栄養酵母の量は徐々に増やしてください。皮膚の発疹を引き起こす可能性があります。

小麦胚芽や油は賞味期限に気をつけて下さい。小麦胚芽は冷蔵保存します。

ビタミンC粉末(アスコルビン酸)は、小さじ1/2あたり約2,000 mgです。下痢と鳴った場合には量を減らしてください。

(1) Rinse J. Atherosclerosis: Prevention and cure. Prevention Magazine, Nov 1975, pp 57-65.
(2) Rinse, Jacobus Cholesterol and phospholipids in relation to atherosclerosis. American Laboratory Magazine 1978