こころと身体の栄養療法

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便秘にはビタミンCがお勧め ビタミンCフラッシュ 宿便解消 コーヒー、寒天も

超高齢社会を迎えた我が国では、便秘の有訴者数が著しく増加しています。便秘薬を常用している高齢者の数は増え続けています。
また、ストレスの多い不規則な生活や乱れた食生活が便秘の原因となるため、若くても便秘の悩みを抱えている人が多いことにはびっくりしてしまいます。

私は便秘の悩みのご相談を受けることが多く、便秘薬が欲しいというご希望を承ることが多々ありました。
処方薬では、酸化マグネシウムを第一選択としていますが、便秘薬としては、ビタミンCが一番であると考え、今までに多くの方におすすめして来ました。

私も便秘気味になったときには迷わずビタミンC大量服用(ビタミンCフラッシュ)で対応しています。

ビタミンCは最良の便秘薬です!

ビタミンCに素晴らしい健康効果があるのはどなたもよくご存知だと思います。
そして、ビタミンCには大きな副作用はありません。ですから、どなたにも安心して飲んで頂くことができます。
ここでは、ビタミンCで頑固な便秘を解消する方法(ビタミンCフラッシュ)をご紹介します。

ビタミンCの副作用

ビタミンCにはいわゆる副作用はほとんどありません。

強いていえば、
ビタミンCを高濃度で点滴をした場合には、低血糖状態になることがあり、気持ち悪くなったり、頭痛がしたりすることがあります。
それから点滴部位が傷んだり、血管痛が出たりということもあります。

また、まことしやかに信じられていますが、腎結石になるともいわれています。ただし、これについてははっきりとした根拠がなく、逆にビタミンCはシュウ酸結石を予防する効果があることがわかっています。

アメリカで何万人もの患者さんに高濃度ビタミンC点滴治療を行っているリオルダンクリニックでは、腎結石の発症を認めていないということも報告されています。腎結石についての見解は別に詳しく説明します(現在準備中)ので、ご参照ください。

ビタミンCの“最強の副作用”をご存知でしょうか?それは、“便をゆるくする”ことです。便をゆるくして排出することで、デトックス作用も期待できます。

ビタミンCを大量に摂取した場合、または人によってはそんなに量をたくさん摂っていないのにお腹がごろごろいうことがあります。

これはビタミンCの“副作用”というより、もはや”作用”と言った方がよいかもしれません。
アンドリュー・ソウル博士はこれを緩い便(loose stool)と呼んでいます。
私は、”loose poo”(ルース プー:ゆるいうんち)と呼んでいます。なんとなく、可愛らしくないでしょうか?

腸において体内に吸収しきれないビタミンCが水分を吸収するため、便が柔らかくなるのです。
腸に残るビタミンCの量が多ければ多いほど柔らかさは増しますので、いわば下痢のような状態になることもあります。

便秘の原因であるストレスとビタミンC

便秘の原因の一つにストレスがあります。
精神的にストレスが高い状態であると、自律神経の調子がおかしくなり、交感神経が優位になり、結果として便秘となるためです。

また、高ストレス状態では活性酸素が大量に発生してビタミンCがたくさん消費されています。そのため、ストレスによる便秘対策として抗酸化物質であるビタミンCを取るということはとても理にかなっています。

さらに、ストレスがあると抗ストレスホルモンのアドレナリンが必要となります。
副腎でのアドレナリンの合成にはビタミンCが使われますから、ストレスがかかるとビタミンC不足が生じることになるのです。

便秘薬としてのビタミンC

ビタミンCのこの便を柔らかくする性質を、“便秘の解消法”として使うことができるのです。しかも、ビタミンCは副作用がありませんから、どんな便秘薬よりも安全でしかも健康にもプラスの効果があります。

さらにビタミンCには腸の動き(蠕動運動)を活発にするという働きもあります。
この科学的な根拠は明らかではありませんが、善玉腸内細菌がビタミンCを取り込んで増えるためとか、ビタミンCが分解される際にガスが発生する(従って、おならも増える)、などと言われています。私自身もビタミンCを大量にのむとおならが出ます。ただし、この時に出るのは匂いのしないおならです。

ビタミンCを大量に飲むと、自分の腸がこんなにも活発に動くのだとびっくりするくらい蠕動運動を感じることができるはずです。

そして、他の便秘薬と異なり、ビタミンCは便秘の状態によって、飲む量を加減できますから、その方にぴったりの状態を作り出すことができます。

便秘薬を指定された量のんでも便がなかなかでない人や、逆に緩くなりすぎてしまって、大変だというような方にも、ご自分で調整して便を”お好みの固さ”にすることができるのです。
ただし、少しの間いろいろと量を試してご自分にとっての”適正な量”をみつける必要があります。ビタミンCの必要量(体内に吸収される量)は体調によっても変化します。

腸を刺激して元気にさせながら便秘も解消、お肌も綺麗になるなんて、ビタミンCは夢のような便秘解消法なのです。
宿便をしっかりと取り除きたい方にもぴったりです。

便秘薬が手放せない方は是非今日からその便秘薬の代わりにこれからご紹介するビタミンC大量摂取を試してみて下さい。

ビタミンCの腸耐用量

ビタミンCを大量に飲む「ビタミンCフラッシュ」でビタミンCの必要量を測ることによって、あなたの健康状態のチェックをすることもできます。
ビタミンCには“腸耐用量”というのがあり、これがビタミンCの必要量の指標となります。
「ビタミンCをどれだけのんだら柔らかい便になるか?」でそれを測ることができます。
ただし、ビタミンCの必要量には個人差もありますし、同じ人でも体調によって変化します。つまり、どれだけ身体がビタミンCを必要としているかで腸から血液中に吸収される量がかわり、炎症があったり、タバコを吸ったりしてたくさん必要であればいくらのんでもまったく症状は出ません。

では実際にどのようにして便秘を解消するか具体的な方法をご紹介しましょう。

ビタミンCフラッシュ(ビタミンC大量摂取)

これは、統合医療の治療方法として知られています。

空腹時に行います。
自宅で、外出の予定がない日を選んで下さい。
慣れてくると、ご自分の腸耐用量がわかり、どのくらい飲むと、どれくらいの時間で、どの程度便が緩くなるかがわかるようになりますから、外出も可能となります。
ですが、いわゆる“宿便”を根こそぎ取るくらいきれいに腸を掃除するためには、一日ゆったりとできる日を選んで頂くと良いでしょう。また、空腹時に摂取すると低血糖のような症状が起きることもありますから、ご注意ください。

ビタミンCによるデトックス効果も期待できますので、1日ご自分の身体のメンテナンスを行う日として頂くのがおすすめです。

ビタミンCフラッシュの方法

1回1g〜5gのビタミンCを水やぬるま湯で15分〜30分間隔で飲みます。
はじめは少量から開始するのが良いと思います。
そのうちにお腹がごろごろいってきます。
変化がなければ、量を増やし、間隔を短くしてみてください。

ビタミンCの影響には個人差がかなりあります。同じ人であっても、体調によって変化が出ます。
体調不良、ストレス、病気、タバコなどにより、ビタミンCの消費量が変わるためです。ですから、ビタミンCフラッシュの量(便が緩くなるまでに必要なビタミンCの量)もその時々で異なってきます。
決まった量はありませんので、適当にアレンジしてみてください。
お腹がごろごろいうかどうかといったご自分の身体の反応が目安となります。

数時間でお腹がごろごろいって、ガスが腸の中でぽこぽこ動くのを感じます。これがなければどんどん量を増やしましょう。
そのうちに、緩い便が出ます。

ビタミンCの量が多くなると下痢となりますが、病気ではありませんので心配はまったくいりません。
尿かと思うほどの水様便となります。けれども、病気のときの下痢とは違って、お腹が痛くなることはほとんどありません。宿便がごっそり取れて、デトックスになります。

すっきりと腸が掃除されますから、気分爽快になります。多くの便秘の方にお試し頂きましたが、みなさま、人生最高の気分というくらいすっきり爽やかな気持ちになるそうです。

ビタミンCの必要量を知る

ビタミンCフラッシュで下痢が起きるまでに飲んだビタミンCの量を計算しておいてください。
その量の10%〜20%が1日必要量になります。その量をその後毎日飲むことをお勧めします。下痢が起きるまでの量が50gだとすれば、1日5g〜10gです。

ビタミンCを毎日摂っていくと、徐々に便を緩くするための必要量が減ってきます。これは、身体の炎症が治まったり、ストレスが減ったりと健康体に変化していくためです。
こうなると、以前よりも少ない量で便が緩くなりますので、摂取量を減らして調整します。

繰り返しになりますが、量については個人差がありますので、確実にこの量、と決められるものではありません。ご自身で調子をみながら調整して頂くようにお願いします。

ただし、厳密な量の管理は必要ありませんので、あまり神経質にならずに毎日確実に摂り続けることを目指してください。

ビタミンCフラッシュを行う際の注意点

ビタミンCの摂り過ぎで胃が荒れることがあります

ビタミンCフラッシュで胃が痛くなるという方がいらっしゃいます。胃腸の調子が悪い方は様子を見ながら量を調整してください。敏感な方は空腹時を避けて、何か食べた後に飲んで頂くとよいでしょう。

体力消耗することがあります

今まで便秘で苦しんでいた方が、大喜びであまりにも毎日大量にビタミンCを飲み続けると、必要な栄養素も吸収できないほどの下痢で体力を消耗することがありますので、そのような極端なことは避けてください。
実際に私がビタミンCフラッシュをご紹介した患者さんでこういう方がいらっしゃいました。それまで常にお腹が張って、苦しい状態が続いていたのですが、毎日便が流れるように出て、とてもすっきりとして、気持ち良いとビタミンCフラッシュを毎日行っていたところ、体重が減少し、肛門の周囲が炎症を起こしてしまいました。
お気持ちはわかりますが、ビタミンCフラッシュは2週間に1回くらいにとどめ、通常は下痢を起こす手前の”やわらかい便”くらいでビタミンCの量を調節して頂けたらと思います。

虫歯になりやすくなります

ビタミンCは強酸です。歯に触れるとエナメル質が溶けて虫歯になりやすくなります。アスコルビン酸減末で摂取した場合は、口の中で溶解して歯に直接触れることになりますから、直後に必ず水などで口をよくゆすぐようにしてください。
気になる方はオブラートに包んだり、錠剤、カプセル状のものをご利用ください。

国光オブラート

ビタミンCフラッシュのためのビタミンC

ビタミンCフラッシュを行うためのビタミンCとしては、アスコルビン酸の原末が手軽です。ビタミンCの粉ですから、そのままですとものすごく酸っぱくて飲むのが難しい方もいらっしゃいます。その場合にはオプラートで包む、またはトマトジュースなどに溶かすと良いでしょう。オレンジジュースなどの甘いものは糖質が多いので食物繊維を含むフレッシュジュース以外はおすすめできません。

粉末では胃が荒れてしまうという方には、カプセルに入ったもの、錠剤、リポ化されている液体のビタミンCが良いでしょう。ただし、量の調節は細やかには出来ません。
また、リポ化されているものは吸収率がとても良いため、ほとんど下痢が起きないのです。ものすごい量が必要となるのに加え、値段がかなり高いですから、ビタミンCフラッシュに用いるのは現実的ではありません。
用いるとするならば、はじめの数回をリポCとして吸収を確保しビタミンCの血中濃度を上げて、その後粉のアスコルビン酸など、ほかのものに切り替える必要があるでしょう。

ビタミンCフラッシュは量を必要としますので、できるだけ安価なものが望ましいと思います。

アスコルビン酸の原末は薬局で購入することができます。薬局では昭和製薬のものが売られていることが多いです。
また、Amazonでもたくさん安価なものがありますが、国産のものを選んで頂くと良いと思います。

ビタミンC(アスコルビン酸)900g

昭和製薬 ビタミンC(食品添加物) 400g

私の知り合いの製薬関係の方が中国産のアスコルビン酸の検査をしたところ、かなり不純物が含まれていたと話していました。もちろん、中国産で品質の良いものもあるかとは思いますが、国産の方が安心ではないかと考えています。

余談ですが、アスコルビン酸の原末は、水道水のカルキを抜くために使用することもできます。カルキ臭が気になる方、刺激を感じる方、アトピー性皮膚炎などで、お風呂に入ると刺激でかゆみが増したり、症状が悪化するような方は、お風呂のお湯に原末を溶かし入れて頂くと良いでしょう。

アトピー性皮膚炎の方には、お風呂だけでなく、日頃からビタミンCを摂取することをお勧めします。炎症を抑える効果は抜群です。

便秘解消法  コーヒー  寒天

ビタミンCの便秘解消効果は素晴らしいのですが、ほかにも手軽に取り組めるものをご紹介します。

コーヒー

かなり前の研究になりますが、コーヒーを飲むと腸の筋肉の動きが活発になることが確認されています。またその仕組みはわかっていないようですが、コーヒーを飲むと便意を催す人がある一定の割合でいるようです(1)。カフェインレスでも効果があるようです。

実は私も朝コーヒーを飲むとトイレに行きたくなるのです。

これに気づいたのは、15年前。
長男が小学校に入学して電車通学を始めたときです。

1年生での1人通学は心もとないため、ずっと一緒に行っていました。
学校のある駅まで送り届けるとそのまま出勤しますので、早過ぎて大学が開いていないため、駅のスタバで仕事をしていたのですが、コーヒーを飲んでしばらくすると必ずトイレに行きたくなるのです。

コーヒーを飲まない休日は決してそういうことはありません。当時はビタミンC摂取もしていませんでしたので、便秘気味のことが多かったのですが、コーヒーは私にはてきめんに効きました。

上の研究では被験者の29%がコーヒーで便意をもよおすと回答しています。女性では63%ですので、女性の方がコーヒーが効きやすいのかもしれません。

コーヒーと腸の活動についての研究は多くはありませんが、別の研究(2)では、カフェイン入りコーヒーが結腸の運動を刺激することが報告されています。します。刺激の強さは、水より60%強く、カフェイン抜きのコーヒーより23%強いそうです。

腸を動かすために朝起きがけに1杯の水を飲む、ということは推奨されていますが、これらの研究を参考にすると、朝1杯のコーヒーを飲むのがよさそうです。

朝1杯のコーヒーで便秘が解消できるのであれば、嬉しいことですね。

便秘解消法 寒天

準備中

私のブログは今何位でしょう?

(1) Brown SR1, Cann PA, Read NW. Effect of coffee on distal colon function. Gut. 1990 Apr;31(4):450-3.
(2) Rao SS et al.Is coffee a colonic stimulant? Eur J Gastroenterol Hepatol. 1998 Feb;10(2):113-8.