宮川路子の水素栄養療法

主治医が教えてくれない水素・栄養療法の話   うつ、がん、アンチエイジング

がん(悪性腫瘍)について


我が国におけるがんの現状

 我が国では1981年より、死因の第1位ががんとなりました。現在2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。医療の進歩に伴い、がんは以前のように必ず亡くなるという怖い病気ではなく、治る病気、または長期間共存することができる病気へと変わりました。もちろん、中にはすい臓がんのように発見しにくく、見つかったときにはすでに手遅れという場合が多いがんもありますが、ほとんどは治療をして完全に治るか、あるいは治療を続けながら日常生活を送るということになります。

 そのため、現在がんに対する様々な民間療法が出現しています。よく、がんになったらいろいろな人から情報をもらい過ぎて混乱してしまった、という話を聞きます。がんに効くと謳っていするサプリもたくさんあり、多くはとても高い値段で売られています。たくさんの情報にのまれて誰も信用できなくなり結局「がん難民」となってしまう患者さんも多いのです。

がんの治療についての基本的な考え方

 がん治療はまず、標準治療(手術、放射線、薬物療法プラス保険適応の免疫療法)を最優先に考えてください。
 標準治療について少しご説明しておきましょう。

①手術
手術では、がんが初めに発生した原発巣、リンパ節や臓器などの転移巣を外科的に切除して取り除きます。手術の大きな目的は、すべてのがんを完全に取り除くことですが、がんによる症状(神経や臓器の圧迫、消化管の通過障害など)を和らげるという意味もあります。
方法としては、メスでからだを切開する方法に加え、主に胸腔、腹腔内の臓器については内視鏡やロボットなどを用いた方法もあります。これらの方法は身体の負担が少なく、回復が早いという利点があります。また、がんに高周波電流(ラジオ派など)を当てて焼く方法もあります。多くのがんでは手術が可能であれば治療の第一選択となることが多いものです。

②放射線療法
放射線療法では、放射線によってがん細胞を死滅させることを目的としています。身体の表面から内部に放射線を当てる外部照射、放射線を発する線源を体腔(胸部や腹部など)に入れて放射線を当てる組織内照射、前立腺などの中に放射線の線源を埋め込む小線源療法という治療もあります。がんの種類や状態、場所によって使い分けています。

③薬物療法
薬物療法は、手術、放射線治療などの局所療法では対応できないような場合に行う全身療法です。化学療法や分子標的治療薬、ホルモン剤などの薬を使って治療を行います。薬物療法では、感受性の高いがんに対して治療を行って病巣を縮小させてから手術を行うこと、また手術後に転移を予防するために薬物療法を追加して行うこともあります。

④免疫療法
免疫療法も薬物療法同様、局所療法では対応できないような場合に行う全身療法です。がん細胞を攻撃する働きを強化する方法、免疫の働きを抑制するがん細胞のはたらきを阻害する方法があります。

がんと診断されたら、主治医の先生としっかりご相談のうえ、ガイドラインにのっとった標準治療を受けることをお勧めいたします。そのうえで、患者さんの状況をみながら栄養療法、その他の治療を追加していくのがベストだと私は考えています。

ただし、例外として、標準治療ではもうお手上げの状態となってしまった場合には「他にもう手がないから」という理由で効果が期待できない化学療法(抗がん剤)を試してみる、というようなことには反対です。効果の期待できない治療は体力を消耗し、無駄に時間を費やすだけですのでやめたほうが良いでしょう。主治医の先生に、どのくらいの割合で効果があるのか、延命がどの程度望めるのか、受けた場合のQOL(生活の質)はどうなるのか、受けなかった場合のメリットとデメリットは何かというようなことをしっかり聞いて決定してください。

セカンド・オピニオンをとりましょう

確かに抗がん剤の効果の割合が低いがんもあります。そもそも抗がん剤は臨床治験で2割の人に効果があれば、効果ありと判定されるレベルのものです。ただし、がんの種類によっては本当によく効く場合もあるのです。

「抗がん剤は効かない、副作用がひどくて大変だ」、「放射線は重い障害が出るからやりたくない」というようなことをやみくもに信じて、頭から治療を拒否してしまう方もいます。ですが、これはとてももったいないことです。ご自分のがんが化学療法や放射線治療に反応するタイプのものかどうかをしっかりと確認してください。もし治療の決定に迷われるようであれば、セカンド・オピニオンをとることをお勧め致します。

セカンド・オピニオンとは、主治医とは別の専門医に診断、治療法についての意見を聞くことです。以前は、主治医の先生に遠慮したり、機嫌を損ねるのではないかと心配して主治医に言い出せない患者さんが多かったのですが、現在ではセカンド・オピニオンを求めるのは当たり前のこととなっています。主治医の方から迷っている患者さんにセカンド・オピニオンをお勧めすることもあるくらいです。なぜなら患者さんが前向きに治療に向き合うためには状況をよく理解し、納得することが大切だからです。

セカンドオピニオンを聞きたい時は、主治医にその旨を伝え、検査データや紹介状を作ってもらいましょう。もしそのときに主治医が否定的であれば、それは「自分の治療に自信がないから」ということになります。遠慮せずに主治医に相談してみましょう。

大きい病院であれば「セカンド・オピニオン外来」を設けています。自費診療となりますが、ご自分の人生を左右する重要な決定の参考となる専門医からの大切な情報が得られますので、是非お受けください。

抗がん剤・放射線治療の副作用について

患者さんががんに対する化学療法や放射線治療を拒否する理由の多くは、「副作用が辛いから」というものです。

実は化学療法や放射線による副作用はビタミンCや水素の治療によって大幅に軽減することができるのです。副作用を怖がってせっかく効果がある治療をやめてしまわないでください。しっかりと標準治療について検討し、治療を受けるとともに、栄養療法、水素療法を追加して頂くことをお勧めしております。