- 投稿日
- 2019年3月17日
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ビタミンAと健康効果 がん予防 美肌 アンチエイジング にきび
ビタミンAについて
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一つです。
ビタミンAは、レチノール、レチノイン酸などのレチノイドと、βカロチンなどのカロチノイドに分類されます。
レチノイドは卵、乳製品、肉(特にレバー)、魚(特にウナギ)などの動物性食品、
カロチノイドは緑黄色野菜などに多く含まれています。
カロチノイドについて
カロチノイドは緑黄色野菜に含まれることからもわかるように、緑や赤、黄色の鮮やかな美しい色素のことです。
カロチノイドは抗酸化作用で知られています。体内で活性酸素を除去し、がんを予防する効果があります。
カロチン類とキサントフィル類に分類され、カロチン類の代表的なものがβカロチンやリコピンです。キサントフィル類には、ルチン、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチンがあります。
代表的なβカロチンは一部が体内でビタミンAに変換されますので、プロビタミンAと呼ばれます。
ビタミンAは腸管内でミセル(分子がくっついてできるかたまり)を形成して、十二指腸から吸収されます。体内ではビタミンAのほとんどが肝臓に貯蔵されています。
βカロチン(βカロテンともいいます)の名前はニンジン(carrot)から得られた不飽和鎖式炭化水素ということで、語尾にeneをつけて命名されています。
キサントフィルの名前は黄色い(xantho)に、葉、咲く、という意味の語尾phyllをつけて、黄色い葉の色素という意味となっています。
ビタミンAの作用
ビタミンAが処方される病気は鳥目(夜盲症)ですが、カルチノイドは、抗酸化作用だけではなく、抗炎症作用、抗アポトーシス作用を有し、さまざまな疾患に効果があるという報告がなされています。
視覚の機能の強化
ビタミンAは、網膜の光受容器の視物質で光刺激を伝える働きをするロドプシンというタンパク質の構成に必要な物質であり、色覚に関係しているアイオドプシンを合成します。
角膜、結膜の働きを助結膜や角膜の正常な分化・機能を助けており、視機能にとって重要な役割を果たしています。
活性酸素除去
βカロチンは抗酸化物質としての働きを持っています。老化防止、がんの予防の働きがあります。
免疫機能の向上
ビタミンAは免疫力、成長と発達、そして赤血球の生産にとって重要です。免疫反応に必須の白血球(リンパ球など)の発生と分化において中心的な役割を果たしています。
カロチノイドに富んだ食事によって、免疫機能が強化されること、また血中の低レベルのビタミンAが、HIVの進行と死に関連していることがわかっています。
動脈硬化の予防
食事中、および血液中のカロチノイドの値が高いほど、頸動脈の内膜・中膜の厚さが薄いことが示されています。β−カロチン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチンなどのカロチノイドの摂取が動脈硬化を予防する可能性があると考えられます。カロチノイドは心血管疾患も予防すると考えられています。
歯、骨の強化
βカロチンおよび総カロチノイドの食事からの摂取量が高いと股関節部の骨折のリスクが下がることがわかっています。その機序としては、活性酸素によって破骨細胞形成、骨芽細胞の分化や骨細胞のアポトーシスが影響を受けて、骨量減少が起こるというものです。
疫学的研究では、酸化ストレスが高いと骨のミネラル密度が下がることが示されていますし、骨粗しょう症患者において、血清酸化ストレスマーカーが上昇していることがわかっています。このため、酸化ストレスを抑制することで、骨密度の減少を防ぎ、骨粗鬆症を予防して骨折のリスクを減らすことが可能だと考えられるのです。
ただし、ビタミンAを摂りすぎると逆に骨粗しょう症のリスクが上がることもわかっています。
粘膜の強化、抗炎症作用
コンドロイチン硫酸の生合成を促し、粘膜でおおわれている口腔、呼吸器、消化管の粘膜を保護します。粘膜を強くするため、感染症の予防にも効果があります。
細胞の成長・分化
ビタミンAは細胞の成長や分化にも関係し、心臓、肺、腎臓などの器官の正常な形成や維持においても重要な役割を果たしています。
加齢黄班変性症
加齢黄班変性症は、高齢者における失明の原因として多いものです。β-カロテンを含む抗酸化物質、亜鉛、銅を含むサプリメントが失明率を低下させることがわかっています。
がんの予防
カロチノイドはアポトーシスを誘導し、がん細胞の増殖、浸潤、転移を抑えてがんの治療に効果があることが様々な研究により明らかとなっています。
リコピンはβカロチンの2倍の抗酸化作用があることで知られています。リコピンには抗がん作用があることが報告されています。
また、他のカロチノイドについても、抗がん作用が示唆されています。また、βクリプトキサンチンによるがんのリスク低下については効果が確実なものと考えられています。
欧米で実施された7件のコホート研究の結果を合わせて解析した研究では、7~16年間にわたって399,765人,肺がん発症3,155人を対象にした結果、βクリプトキサンチンの摂取が少ない群の肺がんのリスクを1としたとき,摂取量の多い集団ではリスクが0.76と有意に低下することが報告されています。
βクリプトキサンチンについては、食道がんや子宮頸がんにおいてもリスクが下がることが報告されています。
皮膚の再生・美肌
ビタミンAは近年、美肌のビタミンとして脚光を浴びています。過剰な皮脂の分泌を抑えるとともに、肌に潤いを与え、新陳代謝を促し、角質層を取り除いて健康な肌を作ります。毛穴のつまりを取り、ニキビができにくい強い肌を作ります。また、皮脂腺からの脂の分泌を抑える働きも持っています。
ビタミンAの大量投与でにきびが改善することがわかっています。この治療はニキビ痕をきれいにするためにも効果があります。
ビタミンAによる活性酸素の除去によっても肌のダメージを避ける効果があるといわれています。
ビタミンAにより肌の新陳代謝が活発になるため、美しい肌に生まれ変わらせることができます。このため、ビタミンAはニキビケアには欠かせないものです。
また、皮膚、髪の毛に張り、こしを与え、アンチエイジングの働きをします。
後述しますが、肌のためには、ビタミンAを経口摂取するだけでなく、外用薬としても用いられています。
糖尿病・糖尿病性腎症の予防
各種のキサンチンが糖尿病による腎症を予防することがマウスのモデルで証明されています。これは抗酸化作用によって腎の障害が抑えられることによるものと考えられています。
また、とても面白い日本の研究ですが、βクリプトキサンチンを多く含む温州みかんを多く食べている人が糖尿病にかかる割合が低いことが示されています。これもカロチノイドの効果であろうと考えられるのです。
いよかんと脳梗塞後の認知機能改善
まだ論文にはなっていませんが、愛媛大医学部の学生である川上萌さんによる研究で、イヨカン果汁(ポンジュース)が脳血管性の認知症を抑制できる可能性が示されましたた。
頸動脈を遮断して脳梗塞を作ったマウスでの実験ですが、水、温習みかん、いよかんの果汁10%のジュースを飲んだマウスで、それぞれ認知機能の低下は22%、13%、7%だったそうです。
いよかんに含まれるポリフェノールであるヘスペリジンに注目しましたが、ヘスペリジンだけを飲ませると、血流改善効果が見られませんでした。サプリメントでポリフェノールを抽出して飲むのではなく、みかんやいよかんそのものを果物として食べることのメリットがあるようです。
いよかんの時期にはぜひたくさんいよかんを食べましょう。
ちなみに、柑橘類を食べる人の死亡率が低いことも確認されています。
麻疹
子どもが麻疹にかかった場合に、ビタミンA欠乏症があると重症化することが知られています。そして、ビタミンAのサプリの摂取によって、麻疹の症状が軽くなることが示されています。
ビタミンAの欠乏について
日本においては、ビタミンAの欠乏症はあまりみられません。肝臓に大量に蓄えられているために、欠乏症の症状が出ることはあまりありません。
けれども妊娠中の女性は、胎児の成長や組織の維持、代謝のために、ビタミンAの必要量が増加します。このため、ビタミンAの欠乏症がみられることがあります。
ビタミンA欠乏症の症状としては、涙が出にくくなり、眼が乾燥します。また、暗がりで物が見えにくくなるなどの視力障害が出ることもあります。皮膚も潤いがなくなり、にきびができたりします。食欲不振、下痢、風邪をひきやすい、味覚障害などがおきます。
ビタミンAは鉄の吸収を助けるため、ビタミンAが欠乏している人は鉄分も不足していることが多く、貧血を認めることがあります。妊娠女性は特に注意が必要ですが、ビタミンAの摂りすぎもまた催奇形性があるため、摂取の仕方には気を付けなければいけません。
ビタミンA過剰症
ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、サプリメントを摂りすぎると過剰症を認めることがあります。
妊娠女性の過剰摂取によって、先天異常を生じる(催奇形性)可能性があります。先天異常には、心臓、肺や眼球の奇形などがあります。妊娠の可能性がある女性は高用量のビタミンAサプリメントを摂取することは控えてください。
けれども、βカロチンを高用量で摂取しても過剰症の心配はありません。強いて言えば、βカロチンの摂りすぎによって、柑皮症(皮膚が黄色くなる現象。みかんの食べ過ぎによってよく起こります)を認める程度です。
ビタミンAの働きに必要な栄養素
タンパク質
ビタミンAを運ぶタンパク質は、レチノール結合タンパクといいます。これが不足すると、ビタミンAをいくら摂っても体内で利用することができなくなります。タンパク質をしっかり摂りましょう。食事からだけでは十分な量を摂ることは難しいので、プロテインパウダーの利用をお勧めします。
亜鉛
ビタミンAは亜鉛とセットで摂ることが必要です。肝臓に貯蔵されているビタミンAを利用する際に亜鉛が必要となります。肝臓からビタミンAが運ばれるときに、レチノール結合タンパクと結びついて血流にのります。これが無いと身体はビタミンAを利用することができません。
レチノール結合タンパクの合成には亜鉛が必須なのです。
ですから、いくらビタミンAが十分にあったとしても、亜鉛不足であればビタミンA不足の症状が起きてしまいます。
亜鉛は肉や魚、貝、豆類に多く含まれていますが、偏った食事をとっていたり、ダイエットをしていると摂取不足となります。また、激しいスポーツをするアスリートは必要量が増えるとともに、汗による排泄も増えて不足が見られます。
高齢者も摂取量、吸収力の低下や糖尿病、肝臓病、腎機能の低下など、亜鉛不足を招く状態になることが多いため、しばしば亜鉛不足となります。
ビタミンAのためにも、亜鉛不足にならないように気を付けましょう。
亜鉛サプリメントのおすすめはこちらです。
抗酸化物質(ポリフェノール、リコピン、フラボノイド、グルタチオン、ビタミンC、ビタミンEなど)
抗酸化物質は様々な種類を摂取すると、お互いに酸化を防いで補い合い、高い効果が期待できます。いろいろな種類の抗酸化物質を摂るようにしましょう。
βカロチンは油と一緒に摂取する
βカロチンは油と一緒に摂ると吸収率が上がります。
緑黄色野菜をオリーブオイルで炒めたり、ドレッシングをかけたりするのがおすすめです。ラタトゥイユも簡単で緑黄色野菜とオリーブオイルが摂れますので理想的です。
ラタトゥイユの簡単レシピ
オリーブオイル、ローリエ、塩コショウ、ニンニク(すりおろしでも、生のものを刻んでも)、白ワイン
ベーコン(ウインナーでも)
玉ねぎ、ズッキーニ、パプリカ(赤、オレンジ、黄色、緑)、ナス、トマト、セロリ
トマト缶
1) 野菜はお好みで適当な大きさに切る。ベーコンも1センチ程度に切る。
2) オリーブオイルをフライパンに入れ、ニンニクを炒める。
3) 香りが出たら、玉ねぎ、ベーコンを炒める。
4) 適当な大きさに切った野菜を入れて、しんなりするまで炒める。
5) トマト缶を入れて混ぜ合わせローリエ、白ワインを入れて、ふたをして沸騰させ、その後弱火で15分程度煮込む。
6) 最後に塩コショウで味をととのえる。
薄味に作っておくと、残ったらスパゲッティーソースにしたり、カレーのルーを入れてカレーライスに作り替えたりすることも出来ます。大量に作って、βカロチンを摂取しましょう。
ルッコラのごま油ささっと炒め鰹節あえ
日本では春菊で作るレシピですが、スウェーデンでは春菊がないので、ルッコラで作っています。日本ではルッコラが高いので、とてもできませんが、こちらはお安いので贅沢にたくさん炒め物に使うことができます。家庭菜園でルッコラを育てていれいばいいですね。肌荒れ解消レシピです。
ルッコラの苦みがごま油でまろやかになり、香りが引き立ってとても美味しい野菜炒めが出来上がります。人参の細切りを入れてもおいしいですし、βカロチンがさらに多くなって良いと思います。
材料
ごま油 少々
塩コショウ 少々
ルッコラ または春菊 山盛り(写真は200g)
鰹節 お好みの量
1)熱したフライパンにごま油を入れます。
2)ルッコラを入れて、塩コショウをふり、さっと炒めます。色が鮮やかになったところですぐに火を止め、器に盛って、上から鰹節をふりかけます。
ルッコラは近所のスーパーで100gパックで売っています。いつもは1パック200円くらいですが、今日は1パック120円でした。2パック買って、ざるに山盛りでしたが炒めるとしなっと小さくなります。これで2人分ですが、ぺろっと平らげてしまいました。この倍くらいあってもいいくらいの美味しさです。
これは、材料を同じにして、「ルッコラとニンジンの生野菜サラダ」としても美味しいです。
肌の健康とビタミンAの外用薬
肌の新陳代謝を促し、角質をとって光り輝く肌、しみやたるみのない肌を作るためにレチノイン酸の外用薬が使われています。レチノイン酸の作用はかなり強く、つけた部位が赤くなったり、皮膚がむけてしまったりすることもあります。これは、にきびの治療薬として使われています。
これに対し、レチノールはマイルドな作用で、毎日つけることによって、レチノイン酸同様の効果があることがわかっています。レチノール配合の化粧品が多く発売されています。
ディフェリンゲル
ニキビの薬として保険適応となっているのが、ディフェリンゲルです。これはビタミンA製剤でアダパレン(成分名)という薬です。角化細胞の代謝を亢進させますので、毛穴に詰まった角栓をとりのぞいて皮脂が毛包の中につまるのを防ぎます。にきび治療薬なのですが、これをほんの少し(米粒大くらい)、顔全体に塗るとアンチエイジング効果があると言われています。
ディフェリンゲルを自費で購入し、美肌対策として使用するケースもありますが、ディフェリンゲルはかなりきつい薬になりますので、少しでもつけすぎると激しい反応を起こします。皮膚が赤くなり、火傷をしたようにぴりぴりとして、そのうちに肌がぼろぼろと剥げ落ちます。アトピー性皮膚炎のような状態となって、かゆみを感じるため、かいてしまうと傷が出来て、大変なことになりかねません。そもそもニキビの治療に用いる場合は、綿棒の先に少しつけて、ニキビの上にちょん、とのせる用量で使用します。顔全体につける場合には十分に注意してください。つけすぎて、ステロイドのお世話になることになってしまった例を何例も見ています。
エンビロン
ディフェリンゲルと同様の効果がある化粧品の中でもおすすめのものがエンビロンです。この化粧品はサロンや美容皮膚科での取り扱いとなっています。エンビロンの化粧品には、穏やかな作用のレチノールが配合されています。
ただし、エンビロンは化粧品として外から皮膚にレチノールをつけるだけでは不十分だと考えているのです。
エンビロンの開発者である南アフリカの形成外科医・心臓外科医のフェルナンデス博士は20年以上、毎日10万IUのビタミンAを飲み続けているそうです。ビタミンA過剰症になりそうだと感じますが、そんな心配はないとのことです。ただし、この飲み方は誰もが真似してよいわけではありませんのでお気をつけください。
博士が医学部卒業50周年の記念パーティーのときの同級生の集合写真を講演会で紹介していました。みな白髪でおじいさんになっている中で、フェルナンデス博士は黒々とではなく、茶々とした茶髪(もちろん、染めていません)で、20歳以上若く見えました。白人ですから、75歳を超えているとしわとしみが多く目立つのが普通です。博士の若さの秘訣はビタミンAの大量摂取だとのことでした。
エンビロンはドクターズサプリも販売していますが、驚いてしまうのは、すべての種類のサプリメントに必ずビタミンAが入っているのです。このことからも、いかにビタミンAを内側から補充することが大切かお分かりいただけるかと思います。
私は毎日25,000IUのビタミンAサプリメントをとっています。のみ始めて以来、肌のトラブルはまったくなくなりました。
また、にきびに悩む方のご相談を受けると、治療には大量ビタミンAを含む栄養療法を行っています。花畑のようなにきびであっても、かなり改善します。もちろん、食生活をはじめとした生活習慣の改善も必要ですが、定期的に観察して過剰症について注意しながら数か月単位で治療していくことになります。
ビタミンAの推奨摂取量とサプリメント
ビタミンAの推奨摂取量は年齢、性別、そして女性であれば妊娠・授乳の有無によってかなり異なっています。けれども、推奨摂取量では健康のためには少なすぎるのです。これはすべてのビタミンについて共通して言えることです。
食事摂取基準で定められている耐用上限量は、成人では男女とも2700μgRAEです。およそ10000IUとなります。
ビタミンAは食事からたくさん摂ることができます。多く含まれるものをしっかり毎日食べるようにしましょう。ただし、十分に摂取するためにはサプリメントが必要であす。成人が健康のためにサプリメントで摂るのであれば、1日5000IU~10000IUまでなら特に問題はないと考えます。
健康のために、1日最低5000IUはサプリメントで摂取することをお勧めします。
参考) ビタミンAは以前は単位はIUでしたが、ビタミンA作用を表すレチノール活性当量(μgRAE)で表されるように変わりました。1IU=0.3μgRAEに相当します。
にきびとビタミンA、ビタミンE、亜鉛
トルコのあるクリニックで行われた研究によると、ニキビの患者の血中ビタミンA、ビタミンE、亜鉛の濃度は健常者と比較するとかなり低いことが報告されています(17)。ニキビの患者94人、健常者56人についてこれらの血漿中の濃度を測定して比較した研究です。
また、別の研究(18)でも、ニキビの患者のビタミンA、ビタミンEの濃度は健常者と比較して有意に低いことが示されています。
この研究結果から、ニキビの原因としてビタミンA,ビタミンE、亜鉛の不足が考えられるということ、食事や栄養がお肌の健康、美しさのためにとても大切であることがわかります。
ニキビを作らないようにするためには、これらのビタミン、ミネラルをしっかりとサプリメントで摂ることが必要でしょう。
おすすめのビタミンAサプリメント
私が息子の飲ませているビタミンAのサプリメントはこちらです。Amazonで購入しています。
ナウフーズ ビタミンA 10000 IU (フィッシュリバーオイル) 100ソフトカプセル
iherbでは、25000IUがあります。こちらも自分用に購入しています。
ビタミンAの過剰症について
ビタミン A 過剰症には、急性と慢性の症状があります。
急性の中毒症状は、頭痛、腹痛、悪心嘔吐、めまいなどです。全身の皮膚がぼろぼろ剥がれ落ちる落屑もみられることがあります。
大量にビタミンAを一度に摂取した場合、例えば北極熊の肝臓や魚の肝油を大量に摂取した場合などにみられたという報告があります。
慢性の中毒症状では、皮膚の乾燥、脱毛、食欲不振、体重減少、関節や骨の痛み、肝脾腫、頭痛などです。25,000I.U.(7,500μgRE)を服用すると起こると言われています 。また、過剰摂取による骨密度低下、骨粗しょう症も知られています。
妊婦が摂取すると胎児の催奇形性骨密度の減少、骨粗しょう症も知られています。
EUの食品科学委員会によると、ビタミンAによる健康障害としては、以下のようなものが報告されています。健康な方であれば問題はありませんが、肝機能障害がある方などは摂取に際して注意が必要です。
25000IUを1回の摂取 頭蓋内圧上昇による泉門の隆起(幼児)
25000IU/日を 6 年間摂取 肝毒性
5000IU/日の摂取 骨密度の減少と骨折(34~77 歳の女性)
25000IU/日を 4 年間毎日摂取 コレステロールの上昇
にきびの治療として一時的に1か月~数か月数万IUと投与する治療は美容皮膚科においてよく行われています。医師と相談しながら摂取します。
漫然と長期間飲み続けることは避けてください。
カルチノイドを多く含む食品
βカロチン
にんじん、春菊、モロヘイヤ、パセリ、しそ
リコピン
トマト、ミニトマト、すいか、柿
ルチン
ほうれん草、ブロッコリー、レタス、グリーンピース
アスタキサンチン
アスタキサンチンは、非常に強い抗酸化力を持つことで知られています。鮭の身、えび、カニの殻、いくら、鯛の赤い皮
ゼアキサンチン
クコの実、オレンジペッパー(パプリカ)、卵黄、とうもろこし、ほうれん草
クリプトキサンチン
柿、パパイア、みかん、はっさく
βクリプトキサンチンの素晴らしい効果 みかんを食べましょう
日本には美味しいみかんがたくさんあります。冬になると、様々な種類のみかんが出回ります。日本人はみかんの健康効果の恩恵を昔から受けているのです。
みかんの代表的産地である静岡県三ヶ日町の住民を対象にした栄養疫学調査(三ヶ日町研究)によってβクリプトキサンチンの効果について明らかになってきています。
βクリプトキサンチンの濃度が高い人は、
1)飲酒・高血糖による肝機能障害のリスク
2)動脈硬化のリスク
3)インスリン抵抗性(インスリンの働きが悪くなる状態)のリスク
4)閉経女性での骨粗しょう症のリスク
5)メタボリックシンドロームのリスク
6)喫煙・飲酒による酸化ストレス
が有意に低いことがわかりました。
みかんをたくさん食べると、肝機能障害、動脈硬化、糖尿病、骨粗しょう症、メタボリックシンドロームになりにくいのです。
ぜひ、みかんをたくさん食べましょう。
ただし、甘過ぎる美味しいみかんではなく、ほどほどの甘みのものを選ぶようにしましょう。
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