宮川路子の水素栄養療法

主治医が教えてくれない水素・栄養療法の話   うつ、がん、アンチエイジング

スウェーデンこぼれ話 おやつタイム&金曜日は3時からビール 

スウェーデンに住んでちょうど1年ちょっと経ちました。

実は11年前にも1年間住んでいましたので、2回目の長期滞在です。

当時と比べてもいろいろと変化が見られますが、ちょっと気づいたこと、考えたことをつれづれに綴ってみたいと思います。

スウェーデンは今ようやく待ちに待った春がやってきたところです。
長〜い暗い冬があけて、爽やかな新緑の季節です。
あまりに冬が暗いので、この明るさがいっそう清々しく、気持ちよく感じられます。

これは自宅アパートから撮った東向きの庭です。
お向かいに見えるのはカロリンスカ大学病院の小児精神クリニック。
とても素敵な建物です。

少し前まで茶色だった木も一気に芽吹いて明るいグリーンの葉がまるで花が咲いているかのようです。
もちろん、花を咲かせている美しい木もあります。
自然の生命力を感じます。

もう一つ、目覚ましいのは人々の服装の変化。
今日はとても良い天気ですが、朝の気温は朝10度でした。
それでももう半袖を着ている人もいます。

なんだか、すでに春を通り越して

短い夏を楽しむぞ!

という気合いが伝わって来るようです。
かなり頑張って無理をしているような気もしないでもないですが、真っ白のTシャツを着ている人の多いこと!

もちろん、気温10度ですから、ダウンを着ている人もいます。

現在、日の出は4時。日の入りは21時。
これからどんどん日が長くなり、いわゆる白夜になります。
でもこれはあっという間に終わってしまうのです。

人々は、短い太陽の光を逃しては大変、とばかり、明るい陽が出るとみな日光浴にいそしみます。

これは今日の帰り、大学の図書館前の広場です。手前に見えるのがビーチバレーコートです。

キャンパスの別の場所ではゲームで遊んでいる人たちがいました。きゃあきゃあ大騒ぎ。金曜日の夕方のほほえましいひとときです。

通りのカフェも一斉に外にテーブルを並べ始めました。

同じ通りでも、陽が当たっているレストランは人がいっぱい。
席に座ってビールやワインを楽しんでいます。
通りの反対側で、陽が当たらないレストランは閑散としています。

いかにスウェーデン人が太陽を愛しているかが、よくわかります。

しかも、歩道から道路にまではみ出して、レストランスペースにしてしまっているところまで。車は通行止めなのかと思いきや、なんと、のろのろ運転で入ってきていました。下の写真の真ん中のところに車が来たのです。
びっくりしてしまいました。

日本では、残念ながらお店の前の歩道にテーブルを並べるようなスペースほとんどありません。
お洒落に外での食事やお茶を楽しめるようにしているお店もたまにありますが、まず普通ではありえないと思います。

ところで、公共の歩道にテーブルと椅子を出しても良いのかどうか疑問でしたので、職場のスウェーデン人に聞いてみました。

え?それ、普通でしょ?いけないっていう発想がない。
みんなどこでもやっているし。当たり前のこと。
それに、歩道が広いからまったく邪魔にならないよ。
外で楽しみたいから、みんな幸せ。

とのこと。

歩いている人が、テーブルのすぐ傍を通ってもへっちゃらです。
私もだんだんと人が食べているテーブルの脇を通るのが平気になってきました。

私はほとんど外食しないのですが、こちらの人達を見ていると、カフェやレストランでの食事を思いっきり楽しんでいるように見えます。

私が職場から歩いて帰る夕方の4時半〜5時頃には、すでにあちこちでビール片手に話している人をたくさんみかけます。

日本であれば、おつまみの枝豆くらいはありそうな感じですが、こちらは、ビールやワインだけでおしゃべりがはずんでいる様子です。
とりあえずビール、とりあえずシャンパン、とりあえずワイン、みたいな感じでしょうか。

みんな、なんともいえず楽しそうです。


仕事の始まりは朝が早く、夕方も多くのオフィスは4時半くらいまでとなっていますから、早い時間からカフェに繰り出せるのでしょう。
おしゃべりがとても楽しそうです。

でも、日本のように延々と長く飲むのではありません。
太陽の光を浴びるというのも一つの目的ですから、陽がなくなるとさっと家に帰る人が多いのです。
とても健康的。

スウェーデン寿命が日本と同じくらい長いのは、ストレスが無いからだとよく言われます。

「日本食は健康的で素晴らしいけど、日本人はストレスが多いからねー。」
「スウェーデン人のように生きて日本食を食べればものすごく長く生きられるはずたよ!」
とは同僚の弁。

日本人ももっと生活を楽しまなければいけませんね。

たとえば、私のいる研究所でも、月曜日から木曜までは比較的遅くまで残っている人はいます。
もちろん、大半は6時前までにはいなくなっています。

金曜日ともなると、お昼で帰る人も。
金曜日のランチタイムは何だかみんなウキウキしています。
いつもよりも長めにランチを楽しむ人が多いのも金曜日。

そして、金曜の午後3時からは、職場のコミュニケーションのためにとお茶を飲んでお菓子を楽しむ時間(FIKAタイム)です。
もちまわりで、お菓子を用意しています。

スウェーデンではどこの職場でもこの”FIKAタイム”が重視されているのだそうです。

FIKAとはおやつのこと。

コーヒー片手にお菓子を食べておしゃべりをするのです。
1日に何回もFIKAするところも。

私の職場では決められたFIKAタイムは1週間に1回だけですが、その時間になると、びっくりするほどたくさんの人が集まってきます。

もちろん、すでに帰ってしまっている人もいますから、全員ではありませんが。

いろいろな部署の人と話をして、人間関係の構築に役立ちます。

それに、おしゃべりはストレス解消になりますので、健康にも良いです。
喫煙所でコミュニケーションをとるのとは全く違いますね。

おしゃべりといえば、一つ、私が最近街を歩いていて気がついたことがあります。

それは、高齢の男性同士でビールを飲んでおしゃべりをしている光景がとても多いこと。



数人のご老人が集って、ビールを片手にわはわはと笑っています。

名付けて”街角ビール”

何と素晴らしいのでしょう!

これも日本ではまず見られません。
銀座で立ち飲みのビールバーが流行っているという話を聞いたことがありますが、外で楽しく飲むなんてないことですよね。

日本では、集う場所がないのか、出不精の人が多いのか、昼間からビールを飲んでいては気が引けるのかわかりませんが、悲しく1人閉じこもっている高齢男性が多いのです。

女性は友達も多くあちこち出かけますが、男性は退職すると社会から取り残されるケースがたくさんあります。

アルコールの飲み過ぎになるといけませんが、昼から友達とビールを飲んで、おしゃべりして、大笑いして、そして早めに家に帰って寝る、というのが良いのではないでしょうか。

そういう場所のある“街づくり”が今求められているのではないかと感じています。

帰宅して先に帰っていた息子に話を聞くと
「帰り道、通り沿いのカフェに老夫婦がすごく多かったよ。みんなビールとかワイン飲んでいたよ。
みんな、サングラスかけてた。」
とのこと。
(日なたに座っているのでサングラスは必需品なのでしょう。なんといっても、スウェーデン人(白人)は虹彩の色が薄いので、日光がまぶしくて仕方ないのです。子供でもサングラスをかけています。)

たくさんおしゃべりして、美味しいものを食べてお酒を飲んで。

素敵です。

午後3時。年配の女性も、ワインを飲みながらおしゃべりしています。

こういう楽しい老後を過ごしたいものです。

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