宮川路子の水素栄養療法

主治医が教えてくれない水素・栄養療法の話   うつ、がん、アンチエイジング

紅茶と健康 ポリフェノール カフェイン

紅茶の思い出

 私が小さい頃、土曜日のお昼に幼稚園から帰ってくると母がトーストにチーズとサラダ、そしてちょっと甘いミルクティーをお昼ご飯に用意してくれるのが楽しみでした。なんだかとってもおしゃれで、特別なごちそうのような気持ちになったものです。お紅茶はトワイニングティーのパックで淹れていたと思いますが、それは私にとっての最初のお紅茶の思い出として記憶に強く刻まれています。
それ以来、私は常にコーヒーよりも紅茶派です。

 美味しいお紅茶の思い出としては、他にも大学生の時に授業を抜け出して大学のキャンパス近くのカフェでパスタやケーキとともに頼んだロイヤルミルクティーが忘れられません。細長いおしゃれなガラスのコップに入ったそれを飲みながら、友人とどれだけおしゃべりを楽しんだことでしょう。。。アイスティーにはアールグレイ(Earl Grey)が合うということ、1800年代にイギリスのグレイ伯爵という人が発案した紅茶で、名前の意味はグレイ伯爵だということを知ったのもそのお店でした

 そして、体育会庭球部の試合のときに後輩が準備してくれた“午後の紅茶”の味も忘れられません。大学からの初心者として入部した私が試合で勝つためには、粘りのテニスをするしかありませんでした。そのため、いつも長い“ロブ戦”となる試合の休憩時間にベンチで飲むのは決まってお気に入りのレモンティーでした。糖質制限を心がけている現在では甘味の入っているアイスティーを飲むことは決してありませんが、当時、1球が40分以上も続くことがあった長い戦いの合い間に飲む甘いレモンティーは最高でした。

 それからいろいろなお店のお紅茶を試すようになりました。私のお気に入り、おすすめの紅茶については長くなりますので、こちらでご紹介しています。

紅茶の特徴  発酵茶

 紅茶が完全発酵茶であることはよく知られています。緑茶も紅茶もウーロン茶もすべてカメリア・シネンシス」という茶樹の同じ茶葉から作られていますが、茶葉を発酵させないで作ったものが緑茶、発酵を途中で止めたものがウーロン茶、完全に発酵させたものが紅茶です。発酵食品には消化や代謝に欠かせない酵素が豊富で、体の循環を改善し、血流を良くする効果があり、紅茶も発酵という特徴から様々な効果が期待できます。

紅茶に含まれている成分 カテキン ポリフェノール テアニン

 紅茶の健康効果に影響する成分の主なものはタンニン(カテキン)、カフェインです。
 タンニンは、紅茶、緑茶、ワイン、コーヒーなどに含まれているポリフェノールの一種である「カテキン」です。ポリフェノールには抗酸化作用や免疫力を高める効果があります。
 これ以外の成分では、疲労回復に役立つビタミンB群、甘みと旨み成分のアミノ酸(テアニン)などもあります(1)。また、ビタミンB12はお茶の中でも紅茶が一番含有量が多く含まれています(2)。さらに私たちの体に必要な微量元素であるマンガン、銅、亜鉛などの他、フッ素も含まれています(3)。

各種お茶に含まれるタンニンとカフェインの量

 主なお茶に含まれるタンニンとカフェインの量は、日本食品標準成分表(4)によると、以下の表のようになっています。

お茶の種類

タンニン量(右の抽出条件の場合)
お茶120mlあたりのタンニン量
カフェイン量
お茶120mlあたりのカフェイン量
茶葉の量と抽出条件

玉露

200mg


460mg

160mg

320mg

茶10g、60°C 60mL、抽出2.5分
抹茶200mg340mg
64mg
110mg
茶2g、70°C 70mL
煎茶70mg20mg20mg6mg
茶10g、90°C 430mL、抽出1分
番茶
30mg

5.5mg


10mg



2mg
茶15g、90°C 650mL、抽出30秒
ほうじ茶40mg

7.5mg
20mg

4mg茶15g、90°C 650mL、抽出30秒
玄米茶10mg2mg
10mg2mg
茶15g、90°C 650mL、抽出30秒
ウーロン茶
30mg5.5mg20mg4mg
茶15g、90°C 650mL、抽出30秒
紅茶10mg3.3mg2900mg
960mg
茶5g、熱湯 360mL、抽出1.5分~4分
コーヒー

250mg200mg
60mg480mg
コーヒー粉末10g、熱湯150mL
インスタントコーヒー240mg80mgインスタントコーヒー2g(1杯)
日本食品標準成分表をもとに作成

 
 紅茶にはかなりの量のタンニン(カテキン)とカフェインが入っています。コーヒーには紅茶、煎茶よりカテキンがかなり多いことがわかります。また、緑茶の玉露、抹茶には非常に多くのカテキンが含まれています。コーヒーには肝臓がんを予防する効果があることが明らかとなっていますが、抗酸化作用によるものと言われています。コーヒーの健康効果については、別途ご紹介致します。

 カテキン学会(5)によると、カテキンはお湯の温度によっても抽出量が変わり、高い温度の方が多く抽出されるそうです。また、カテキンには様々な種類があり、一番生理活性の高い(-)エピガロカテキンガレートは“発酵”をとめて作られる緑茶に一番多く含まれているそうです。

紅茶のカテキン

 茶葉は同じであっても、緑茶と紅茶では加工の仕方が違うことにより、含まれるポリフェノールが変わってきます。緑茶では、茶葉を摘むとすぐに蒸したり、煎ったりして加熱処理により酸化酵素の働きを止め、緑色を保ちます。紅茶は摘むとすぐに揉み、傷をつけて酵素により茶葉のポリフェノールを酸化させて抗菌性の強い色素(テアフラビン、テアルビジン)が出来ます。

 テアフラビンが多い紅茶は美しい橙赤色になり、良質であるとされています。テアルビジンにつてはあまり良く知られていませんが、それぞれ、カテキンの種類によって作用には違いがあります。

紅茶の健康効果

ストレス解消作用
整腸作用(腸内細菌改善)
抗菌作用
抗ウイルス作用
虫歯の予防
抗肥満作用
脂肪燃焼作用
抗酸化作用
放射線障害予防作用
抗炎症作用
血圧降下作用
血管内皮機能改善作用
心血管疾患予防効果
認知機能改善効果
糖尿病予防効果
発がん予防効果
全死亡率低下効果
骨粗しょう症の予防効果
利尿作用
覚醒、興奮効果

ストレス解消効果

 紅茶にはストレスを解消し、リラックス効果があることは良く知られています。これはカフェインによるものです。また、テアニンというアミノ酸もストレス解消効果を発揮します。たとえば就寝前に飲むと睡眠の質を高めることができます。ただし、睡眠作用を期待する場合にはカフェインレスのものが望ましいでしょう。

 フレーバーティーの多くはカフェインレスとなっていますので、これらをホットで頂くのがおすすめです。
また、身体を温める効果がある生姜を入れてショウガティーにしたり、シナモンを加えてリラックス効果を高める飲み方もあります。おやすみ前にはホットミルクティーにすることも心地よい眠りの助けとなるでしょう。

整腸効果・胃潰瘍予防効果

 紅茶には胃腸を整える作用があると言われています。カテキンやカフェインが腸を刺激して、蠕動運動を活発にしたり、胃液の分泌を促すことによって、消化促進作用があります。カテキン(タンニン)が多いほど、渋みが強く、整腸効果が高いのです。茶葉の産地の標高が高い方がタンニン含有量が多いと言われており、スリランカで生産されているヌワラエリアがもっともタンニンが強いそうです。

 アールグレイも整腸効果が高い紅茶です。これは、ベルガモットで香りをつけた紅茶で、アイスティーによく合います。タンニン、ベルガモットには炎症を抑える効果もあるそうですので、腸が荒れているときにはぴったりの飲み物です。

 また、紅茶、緑茶の成分が、胃粘膜を保護して胃潰瘍を予防する効果を持つことも確認されています(6,7)。

抗菌作用

 紅茶にはコレラ、サルモネラ菌、出血性大腸菌O-157など、様々な最近に対する抗菌作用があることが知られています(8-11)。

ピロリ菌に対する作用

紅茶にはピロリ菌の感染を防ぐ効果も認められています。ピロリ菌感染の有病率は紅茶、緑茶、蜂蜜の摂取によって低下することが示唆された研究が発表されています。消化不良の訴えのある患者において、ピロリ菌の感染率は、週1日以上蜂蜜を食べている者、紅茶、緑茶を飲んでいる者で有意に低かったそうです。これはそんなに信頼性の高い研究ではありませんが、紅茶がピロリ菌の感染を防ぐ可能性は充分にあると考えられます。

抗インフルエンザ作用

 細菌だけではなく、紅茶には抗ウイルス作用もあることがわかっています。インフルエンザウイルスへの感染性の高いマウスに対して致死量のウイルスを接種すると、10日後にすべてのマウスが死亡してしまいますが、ウイルスを紅茶抽出液と混ぜて接種すると、すべてのマウスが2週間経っても生存していたという実験結果があります(13)。紅茶はインフルエンザウイルスの活性を下げることが明らかとなっています。

 紅茶によるうがいがインフルエンザの予防に効果があるという研究もあります。朝晩、1日2回紅茶によるうがいを5ヶ月間行うとインフルエンザA型とインフルエンザB型ともに、ウイルスの感染率を低減させる可能性があることが示唆されました(14)。ただし、この実験は対照群が水によるうがいを行っていないため、認められた効果が紅茶によるものなのか、それともうがいによるものなのかが明らかではないのが残念なところです。

ノロウイルスの不活化効果

 インフルエンザウイルスに加えて、ノロウイルスにも効果がある可能性があります。静岡県環境衛生科学研究所が、紅茶に含まれるテアフラビン類に、ノロウイルスを消毒する作用があることを発表しました(15)リシウイルス科に属する3つのウイルス(マウスノロ、ブタサポ、ネコカリシ)に抗ウイルス活性を示したのです。マウスとネコ、ブタの細胞に人のノロウイルスに近いウイルスとテアフラビン類を混ぜた液を与えると、感染力を約1000分の1に抑えることができました。

 ヒトのノロウイルスについてはまだ未検証であるが、効果は期待できると言われており、消毒薬の開発に向けて研究が進められているところです。

虫歯の予防

 紅茶にはフッ素が含まれています。フッ素の働きとしては、エナメル質を強化して歯の再石灰化を促す作用が知られています。このことから、紅茶による虫歯予防効果が期待できます。また、紅茶のカテキンの抗酸化作用により、口腔内の雑菌の繁殖が抑制されると歯垢防止、歯周炎予防にも効果があると考えられています。

 日本茶、ウーロン茶、紅茶のフッ素濃度を比較すると、温水で浸出した場合、紅茶、ほうじ茶、煎茶、ウーロン茶の純に高いことがわかりました。紅茶を飲むことがう歯(虫歯)の予防に有効であると考えられます(16)。

肥満予防効果(脂肪消化抑制・吸収抑制・燃焼促進)

 紅茶ポリフェノールによる体重減少のメカニズム
「発酵茶」である紅茶のポリフェノールには、体重を減らす効果があることが知られています(17)。紅茶中のテアフラビンが、緑茶中のポリフェノールよりも肥満予防効果が高いようです(18)。

 紅茶が体重減少を起こす仕組みは複雑です。物質としては、カテキン、カフェインの両方が影響を与えています。これらの物質は単独ではなく、相乗的に働いて体重減少を引き起こしていると言われています。膵リパーゼ、アミラーゼ、グルコシダーゼなどの消化酵素を阻害することにより、脂質と糖質の消化、吸収を抑制して摂取カロリーを抑えます(19)。

 未消化の炭水化物が腸内細菌に影響を与えることによる減量効果も示唆されています。腸内でポリフェノールと腸内細菌が短鎖脂肪酸を産生し、これがAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化して脂質生成を抑制、脂肪分解を促進します(20)。そして脂肪の蓄積を抑えます。
 更に、酸化ストレスを軽減して肥満の合併症を予防するのです。この作用は、非発酵の緑茶よりも発酵茶である紅茶、ウーロン茶によってより強く引き起こされる可能性があります。
効率よく脂肪を燃焼させるためには、運動をする前に紅茶を飲むとよいでしょう。

抗酸化作用

 呼吸によって体内に取り込まれる酸素は、エネルギーの産生に必要なものですが、取り込まれた酸素の一部は「活性酸素」に変化します。活性酸素には殺菌などの有益な働きをするものもありますが、多くは有害で、脂質やタンパク質を酸化させたり、細胞、遺伝子に障害を与えます。すると、動脈硬化や糖尿病、がんなどの生活習慣病の原因となるのです。ポリフェノールは抗酸化作用によって、様々な健康効果を発揮します。

 紅茶に含まれるテアフラビンは、活性酸素種のスカベンジャーで、内因性の細胞性抗酸化剤系の調節を行っていることが明らかになっています(21,22)。

終末糖化産物の生成(糖化)予防  アンチエイジング効果

 紅茶に含まれるポリフェノールはメイラード反応による終末糖化産物(AGEs)の生成(糖化)を防ぎます(23)。メイラード反応は高血糖状態の間に人体内で起こります。熱処理食品における褐変反応としてよく知られており、風味が出ますが、同時にAGEsなどの毒物を生成します。コラーゲンは糖化によって変性し、老化を促進します。AGEsは老化の原因です。紅茶のポリフェノールは抗グリケーション効果を持ち、メイラード反応に影響、AGE形成や熱による毒性化合物の生成を軽減します(24)。

放射線障害の予防

 活性酸素種が電離放射線誘発造血傷害において重要な役割を果たすことは十分に確立されています。マウスの実験段階でありますが、紅茶からのポリフェノール化合物であるテアフラビンは、電離放射線誘発造血障害を改善することがわかっています(25)。

抗炎症作用

 紅茶のテアフラビンには、抗酸化作用だけでなく、炎症を抑える効果があることも示されています(26)。

血圧を下げる作用

 紅茶を飲むことにより、長期的に血圧が下がることが確認されています(27-30紅茶は血圧を下げるとともに、血管内皮細胞を保護する作用があると考えられています。ただし、紅茶を飲んだ直後はカフェインの影響で上がることもあります。また、血管の新生細胞が紅茶摂取群で増加することも報告されています。

血管内皮機能の改善

 様々な健康効果の多くに血管内皮機能の改善が影響しています。紅茶には、血管内皮機能改善、血管拡張、血圧降下、インスリン抵抗性を下げる効果があり、これらは心血管系保護効果へとつながります。

心血管疾患予防効果

 紅茶を飲むことによって、心筋梗塞や狭心症、不整脈などの心血管疾患のリスクを下げ予防することが可能となります(36)。これはポリフェノールの作用だけでなく、カフェインの効果でもあると考えられています。カフェイン入り飲料の適度な摂取は冠動脈疾患、心不全、不整脈などに対して有用であることが最近報告されました(37)。

脳卒中のリスクを低下させる

 紅茶が脳卒中(脳出血、脳梗塞)のリスクを低下させることは様々な研究で報告されています(38,39)。この中で、1日3杯緑茶、紅茶を摂ることがよいと推奨されました(39)。

認知機能改善効果

 紅茶が脳血流を改善することがわかっています(40-43)。これにより、認知機能障害や脳卒中のリスクが低下する可能性があります。

糖尿病の予防効果

 2型糖尿病のリスクもカフェイン摂取によって抑えられることがわかっています(44)。

がんの予防効果

 お茶ががんを防ぐ効果があることは以前より知られています(45)。
 紫外線による障害を防ぐことによるがん予防のメカニズムとしてはポリフェノールの抗酸化作用がメインであると考えられています。皮膚がんにおいては、紫外線Bによる光毒性をお茶のポリフェノールが予防することが確認されています(45)。

全死亡率を低下させる効果

前述したように、様々な効果のある紅茶を飲むことによって、全体の死亡率が低下することがわかっています(47-49)。

骨粗しょう症の予防効果

高齢の女性に対して骨密度の調査を行ったところ、日常的に紅茶を飲む人は飲まない人に比べて骨密度が高いことがわかりました(50)。

興奮・覚醒作用 カフェインの作用

 紅茶のカフェインには興奮、覚醒作用により目覚めをよくする働きを始め、血流促進効果、脂肪燃焼による減量効果と低血圧改善効果、利尿作用、肝臓や腎臓の機能を活発にしてアセトアルデヒドの分解を促すことによる二日酔い防止効果などが知られています。けれども多すぎるとマイナスの影響も出てしまいます。

紅茶のカフェインに関するマイナスの作用について

 精神状態に対するカフェインの役割は過去の研究で確立されており、カフェインには興奮作用があり、不安、依存症に関連している可能性があることを示しています(51)。

 カフェインは、交感神経活動を刺激し、血管緊張を高める強力なメチルキサンチンです(52)。覚醒作用を期待するときには効果的ですが、摂取する時間帯によっては睡眠を妨げる可能性もあります。
 
 また、急性投与されたカフェインの血管収縮特性は、脳血流の減少をもたらします(53)。一過性に血圧が上昇することもあります。
 ですから、カフェイン入りの紅茶の飲み過ぎはよくありません。デカフェのフレーバーティーなどを除き、1日数杯にすると良いでしょう。ただし、紅茶のカフェイン含有量は多いのですが、、実際にはテアニンというアミノ酸がカフェインと結びつくことで、効果を穏やかにすると言われています。また、コーヒー、緑茶、紅茶ともにそれぞれ健康効果が確認されていますので、これらを毎日1、2杯ずつ飲む飲み方をお勧めしたいと思います。

紅茶を飲み過ぎるとビタミンB1不足になる

紅茶やコーヒーにはチアミン(ビタミンB1)を分解するチアミナーゼを含んでいます。そのため、大量の紅茶やコーヒーを飲むは、体内のチアミンを理論上は減少させることになると『ハリソン内科学』に書かれています。どこまで飲むと有害かは定かではありませんが、1日10杯というような飲み方は避けましょう。

紅茶を飲むと鉄の吸収が下がるか?

 紅茶を飲み過ぎると鉄分と結合するタンニンが鉄の吸収を妨げる可能性があると言われています。けれども、鉄の吸収阻害についてはそんなに神経質になることはありません。どうしても気になる方、あるいはひどい貧血がある方は食事の直後に紅茶を飲むのは避けるようにしてください。食後1時間あけてから飲むことで鉄の吸収に対する影響はなくなることが確認されています(54,55)。または、食事と食事の合間に飲むようにしましょう。

紅茶の茶葉はルームフレグランスにも

 紅茶を淹れ終わった後の茶葉をあなたはどうなさっていますか?

 私は、紅茶の茶葉もティーバッグも、ゴミとして捨てる前にお皿に広げてできるだけ乾燥させます。こうしておくと、特にフローラル系の茶葉では、その香りがお部屋にほんのりと広がってルームフレグランスの役割を果たしてくれます。

 湿気のあるままゴミに捨てるのは焼却処理の際にエネルギーが多く必要となり、環境負荷が大きくなります。地球に優しいエコライフを目指しながら、素敵なお紅茶の香りをしっかりと楽しむのはいかがでしょうか?


こちらは、お気に入りのひとつ、グリーンマダムです。これで、3杯分です。

 お勧めの紅茶の記事でご紹介しているマリアージュのボレロ、ハロッズのフラワリーアールグレイ、TWGのティーパーティー、グリーンマダムなどで私は日々紅茶の香りに癒されています。

美味しい紅茶の淹れ方

紅茶の入れ方

 ティーポットとティーカップと温めておきます。美しい色を楽しむために、ティーポットはガラス製、ティーカップは内側が白いものをお勧めします。
1)茶葉をティーポットに入れます。一人分はティースプーン1杯。茶葉が大きいと出にくいので、少し多めに入れます。
2)水をぽこぽこと沸騰させます。カルキ臭を取るためには少し長めに沸騰させておきます。
3)沸騰させたお湯を勢い良くティーポットに注ぎます。
4)すぐにふたをして、2、3分蒸らします。大きい茶葉のときは少し長めに蒸らします。このとき、カバーがあればかぶせておきましょう。5)私は専用のカバーを持っていないので、冬用の毛糸の帽子で代用しています。
6)ふたをあけて、スプーンで一度かきまぜてから、コップに注ぎます。茶葉が入らないように茶こしを通します。最後の一滴(ベストドロップ)まで注ぎきってください。

ミルクティーの淹れ方

ミルクパンでつくります。
牛乳は低温殺菌のものがお勧めです。
1)水150cc をミルクパンに入れ、そこに茶葉を大さじ2杯(約6g)入れてゆっくり中火で2分程度温めます。
2)茶葉がゆっくりと開いてきたら冷たい牛乳を250cc加えます。ゆっくり混ぜながら温め、ぶくぶく沸騰する前に火を止めて下さい。決して、沸騰させるまで加熱しないように注意してください。油断していると、最後にふきこぼれてしまいます。
3)ふたをして3分蒸らします。
4)茶こしでこして、カップに入れて頂きます。

私はこれにシナモンパウダーを軽くふり入れることもあります。

〜ミルクティーノ〜

1)大きめのマグカップで温めた牛乳をミルク泡立て器(56)でホイップします。
2)そこに濃く煮出した紅茶をゆっくり注ぎます。
3)MCTオイル(57)をたらします(これはお味のためではなく、健康のためです)。

紅茶版カプチーノなので、“ミルクティーノ”と名付けて呼んでいるお気に入りの”ミルクティー”の入れ方です。ちなみに、ミルクティーノは私の造語です。

今まで別ページでご紹介しておりましたが、以下の内容はこちらのページにお引越し致します。

~手抜きミルクチャイの作り方~

ミルクをマグカップに注ぎます。私は300ml以上入る大きめのマグカップを使用しています。大き目の方がこぼれる心配もありませんし、カップごと温めるため、最後まで温かく、美味しく飲むことができます。ミルクの量は200mlくらいです。
初めに700ワットの電子レンジで1分間ミルクを温めます。その後、チャイのティーバッグを入れて、四角い紙の部分は取り除き、さらに1分間温めます。その後スプーンの丸い部分で優しくティーバッグを優しく何回かマグカップの内側に押し付けてます。あまり強くやりすぎるとティーバッグが破れてしまいますので、ご注意ください。熱々がお好みの場合にはさらにまた30秒ほど温めてください。ティーバッグは入れたまま頂きます。一度に続けて温めるとミルクがふきこぼれたり、上に膜が張ったりしてしまいますので、分けて温めるのがコツとなります。電子レンジの出力などが違えば少しずつアレンジしてみてください。
シナモンがお好きな方は、さらにシナモンパウダーを少し振り入れるのも良いと思います。

~ミルクチャイティーノ~

”ミルクティーノ”のをチャイで作るのが”ミルクチャイティーノ”(これももちろん私の造語です)です。
チャイは、いろいろなメーカーのものがありますが、私はpukkaのオリジナルチャイ、バニラチャイで作っています。
①まずはチャイを濃い目に熱々で作っておきます。
②温めたミルクを泡立てます。
③ミルクがしっかり泡立ったところにチャイを上から流し入れます。
④シナモンパウダーを少し振って、香り高いおしゃれなミルクチャイティーノのできあがり!

紅茶の豆知識

世界三大紅茶
ダージリン、ウバ、キーマンの3つが世界三大紅茶と呼ばれています。

① ダージリン:マスカットをのようなフルーティーな香りとコクのある紅茶です。 “紅茶のシャンパン”とも呼ばれています。
② ウバ:青リンゴのようなフルーティーな香りと、ミントのすっきり爽やかな香りを併せ持っています。深みのある赤い色で、味は渋みがあります。そのため、ミルクティーによく合います。
③ キーマン:中国を代表する紅茶。熟した柿や梨のような香りで、深みのある味わい

参考文献

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